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「もういいよ、済んだ事だ」
母はコツンと頭突きしてきて、そのまま私の頬から首すじへと毛づくろいを始めた。
そうだ、覚えている…。
ゾリゾリとした感触と、抱っこされていた暖かさ、絶対の安心感に包まれてぐっすりと眠った日々…。
「…おかあさん」
言いたいことがたくさんある
「私、上手に隠れられるようになったよ」
「逃げ足も速くなったね」
「私、一人でスズメ捕れるようになったよ」
「そうだね見違えたよ、違う猫かと思っちゃった」
「私、わたしは…」
それでも忠告を無視して我が子を二匹失った愚か者だ…。
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