『恐怖! 大怪獣 ネア・ゲラ~、現わる』

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『恐怖! 大怪獣 ネア・ゲラ~、現わる』

 『これは、フィクションです。』  ‘’太平洋未確認危険生物防衛委員会‘’は、まさに、緊張感の絶好調にあった。  未知の怪獣らしきが、またまた、日本上陸しそうだからである。  委員会日本支部長  『なんだ、どうなってるんだ。』  未確認危険生物探知主任  『全長300メートル。巨大です。しかし、体型がはっきりしません。太ったり、痩せたりしています。なにかの、放射線を出してますが、未知の物質です。非常に広範囲に広がっていて、すでに、日本列島から、ユーラシア大陸の沿岸部に広がっています。あ、まってください。大西洋委員会から入電です。北極海からヨーロッパに向けて、未知の危険生物とおぼしきものが、接近してます。非常に良く似たものですが、全長500メートル。同様の放射線を確認。』  支部長  『なにか、被害が出てるか?』  探知主任  『いえ。具体的な被害の報告はありません。』  支部長  『なんだ。無害か。無害なら、危険生物ではない。』    謎の美女  『そうかしらね。』  支部長  『きさま、何者。どこから入った? 警備員、つまみ出せ。』  探知主任  『なんと、アマリオ博士。支部長、この方は、本部付き科学主任、アマリオ博士。怪獣の権威です。』  支部長  『知らん。連絡もない。』  支部代表主幹  (早足でやって来た。)  『あ、わるい、おいらが案内さした。』  支部長  『あなたが? 現場にしらせてほしい。迷惑だ。』  主幹  『まあ、そう言うな。専門家は必要だぞなもし。』  支部長  『なもしか、なめしか、知らないが、事務屋は現場に、口出ししないでください。』  探知主任  『あ、あの、博士、あれは、なんなんですか。』  博士  『ふふふ。ここにも、頭が怪獣みたいに固い軍人がいるわけか。』  支部長  『かちん。きさまあ。礼儀を知らんやつだ。これだから、事務屋はだめなんだ。』  博士  『(無視して…… ) あれは、幻の超能力怪獣、ネア・ゲラ~。』  探知主任  『なんと、ネア・ゲラ~?』    博士  『そう、かつて、西暦2022年に姿を表し、人類を絶滅寸前に追い込んだ犯人。いや、犯怪獣。あいつの放つ放射線は、人類の脳に働きかけ、ひたすら金儲けに走らせる。そのためなら、人類はなんでもするようになる。核戦争でも、核テロでも。内戦でも、強盗でも。』  探知主任  『いや、聞いたことはあります。しかし、まさか。たしか、地球的な劇的緊張緩和で、ぎりぎり、滅んだはず。』  支部長  (知らないため、口を挟めず。)  博士  『そう。たしかに。あの時は、たまたま、ソーア火山が大破局噴火したから、戦争どころではなくなった人類は、沢山の犠牲を出して、ようやく頭を冷やしたのです。偶然でした。しかし、やつは、滅んだのではなく、寝ていただけ。誰かがまた、起こした。』  主幹  『だれが?』  博士  『地球征服を企んでいる、ある、お金持ちの誰かでしょう。やつは、そうした、小さな芽を目ざとく見つけます。』  探知主任  『では、このところの急激な物価高は、あいつの仕業ですか。』   博士  『たぶんね。まず、そうした人は、あいつにそそのかされ、その引き金を引く役割をする。そうした人が必ず数人出るのだわ。ほっておいたら、また、人類は絶滅の危機に陥るわ。真の黒幕は、いつも、分からないけどね。』  探知主任  『では、どうすれば、善いのですか。』  博士  『強烈なショックを起こす必要があります。破局噴火クラスの。または、その人物を特定し、隔離する。それは、不可能ではないが、間違いなく、強い権力を持つ人を隔離することになるから、非常に難しいのです。例えば、地球近傍の適当な小惑星を、地球にぶつける技術を、すでに、大菜茂(ダイナモ)博士が開発しています。』  支部長  『やつは、いわゆる、マッドサイエンティストだろ。第一、そんなことは、ここだけでは決められない。まず、政府参謀長官と、首相の判断が必要だ。さらに、第一地球連合の承認も。』  博士  『時間がありません。あいつは、24時間以内に東京湾に達します。あなたが、いま、判断すべきです。』  支部長  『それは、規則に反する。』  博士  『人類が滅んでも? やつの効果は、なかなか、取り消せない。よほどの、ショックでないと。早く対処したら、その分有利です。』  支部長  『主幹は、どうなんだ。』  主幹  『やれよ。君が一番。ぼくは、二番。』  支部長  『共同責任だ。しかも、ばかばかしい。本末転倒ではないか。』  博士  『まさに。あなた、意外とまともね。でも、本末転倒してるのは、愚直なあなた、ではない。でも、まさに、最前線のあなたには、怪獣退治の   責任はあるし、手段もある。』  探知主任  『ちょうど、破局噴火しそうな火山があればともかくも、ないでしょう。』    博士  『なくはない。ぶるースストン火山なら、ありうる。ただし、人類の意には添わないわね。それより、小惑星が確実よ。』  探知主任  『そりゃ、でも、そもそも、第二地球連合と、戦争になるのでは? いったい、その、怪獣にそそのかされた、主犯は誰ですか?』  博士  『推測ですが、大南北アメリカ欧州国の、大統領と、アジア帝国の総統かと。』  主幹  『ぶっ。頭から、組んでるのか。ならば、そりゃ、小惑星しかないなあ。』    支部長  『ナンセンス。我々は、政治には関わらない。』  博士  『関わらなくて良いのです。あなたは、怪獣退治するだけ。』  探知主任  『いや、ちょっと、なにか、違うような。』  博士  『ならば、人類の滅亡に荷担する?』  探知主任  『そう言うわけでは、ありません。でも、どっちが、滅亡なのか。あ、情報です。小惑星だいだら、が、突然、軌道を離れ、地球に向かっていると。ららら。ネア・ゲラ〰️が、引き返します。』  博士  『あらま、博士が、我慢の限界でしたか。我々のすべきことは、無くなりましたね。おめでとう。みなさん。どこに落ちそう?』 探知主任  『え、この辺りです。』                 🦖      
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