Prolog

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 古来より癒やしの魔力を持つ『聖女』の存在に支えられ栄えてきた国、ミーティア。  少女は王都にある国一番の教会、スピカ大聖堂に仕えている聖女候補の一人であった。しかし、真面目で素直すぎる性格が災いし、毎日他の聖女見習い達に雑用を押し付けられる日々。   それらをこなしつつも陰で勉強に修行にと励んでいたが、少女はある日教祖達の本音を聞いてしまう。 『あの子は落ちこぼれだ。どんなに頑張ろうがそれ以前に使えない部分がありすぎて困る。あれではいくら努力しようが居るだけで周りに迷惑だ』  そして最高権力者にあたる教祖のその言葉に傷つき打ちひしがれた少女はその翌日、口封じの為『空の花嫁』と言う名の生贄として敵国との境にある山岳の廃教会に置き去りにされるのだった。 『あぁ、これが存在するだけで皆様にご迷惑をお掛けした私への罰なのでしょうか……』  哀れな少女は失意の中、生きる意味を見失ってしまった。  しかし、そこで出会った一人の男が彼女の世界を一転させることになる。 『ポンコツ?見習い、落ちこぼれ?大いに結構!自分が貴女を、歴史に名を残す大聖女にして差し上げましょう!!』
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