39人が本棚に入れています
本棚に追加
放課後、茜に言われた通りにあたしは部活へ行く前に晃へとメッセージを送ろうと、スマホを見つめていた。
だけど、なにも浮かばない。
かなり久しぶりにメッセージを送ることになるし、思い浮かぶ言葉は〝元気？〟くらいで、明らかに社交辞令にしか思わない。それでもきっと良いんだろうけど、悩んだ挙句、あたしは何も送らずにスマホをポケットへとしまい込んだ。
その瞬間、まだ手に握っていたスマホがポケットの中で震えた。
思わず驚いてあたしはそれを取り出すと、晃からのメッセージが届いていて、画面に表示されている。
》久しぶり。
今日、会えない？
何度か来た事のある言葉。
今まで、何回見送った事だろう。別に会いたくないから見送った訳じゃない。あたしはあたしで、高校生活が充実していたし、晃に会わなくても楽しく過ごせていた。
だけど、またここで返信をしなかったら、晃はどう思うんだろう。
晃が嫌いな訳じゃない。
でも、恋とか、愛とかっていう好きではない気がする。
このままじゃやっぱり、晃には悪い気がするから、出来れば今まで通りの友達に戻りたい。
今日、ちゃんと会って、気持ちを伝えてみようかな。
》部活終わったら連絡する
既読後にすぐ返信したのは本当に久しぶりだ。晃からも、すぐ様〝了解“のスタンプが送られてきて、あたしはスマホをしまった
最初のコメントを投稿しよう！