1・出逢い

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「そっかぁ、久々なんじゃない? 学校終わりに会うの。いつもあたしらに付き合ってくれるから、休みの日くらいしか会えてないでしょ?」  千尋が眉を下げて悲しそうに言う。 「だよね! 好きな人とは会えるなら毎日会いたいよね!」  美優が推しのアクスタを抱きしめつつ言っているのを聞いて、その他は失笑するしかない。  好きな人とは毎日会いたい……かぁ。 「そう言うもんなのかなー」  あたしが悩ましげにつぶやくと、麻由理は頬杖ついて頷く。 「毎日って言っても限度があるよねー、あたしなんて隣の家だし昔からの付き合いだし、学校いる間は離れてられるから、この時間がだいぶ息抜きだよ」 「は?! 何その余裕な熟年感! あたし達はどうせ息抜き程度の存在ですよー」 「あーぁ、ごめーん、もちろん、たいっせつな存在よ。ちーも美優も希未もっ」  二つ年上の幼なじみと付き合っている麻由理は、もはや夫婦なんじゃないかと思うくらいに落ち着いた恋人同士だ。  そんな事を言っているけど、彼の話をする麻由理はいつも幸せそうに笑う。  やっぱりそこにはもちろん愛があると思う。 「あ、じゃああたしそろそろ行くね」  さっき晃にメッセージを送ってからすでに十分以上経っている。待たせるのは悪いし、あたしはカバンを持つと部室を後にした。
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