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塊
4人は自然と歩幅を合わせて歩いている。
ザーー、ザーー……
波の音しかしない。
この海岸には一体どうやってこの4人が集まったのだろうか。この世界には栞もちゃんと産まれて生きていた。富も生きている。暫く歩いていた4人はどこまで歩けばいいのか分からなくなって立ち止まった。そして、暗くなったのでみんなで手を繋いで目を瞑った。
すると、シュウトは思った。
「ん?ここはどこだ?宇宙なのか??」
そんな気になる不思議な感覚……。それぞれが目を瞑り、空を感じる。夢の中に宇宙があるかのようにエネルギーも感じることが出来る。もしかしたら、自分の脳を使って宇宙へ行ったかのように操作可能なのかもしれない……。
シュウトはそんなことを思っていた。
しかし、もうシュウトはこのままどこにも行きたくないと思っていた。宇宙をドライブしてみたいと読書を通じて思っていたからだ。
富も同じだった。ずっとこの場所にいて、人生をゆっくりしたいと思っていた。そして、レイラも忙しさに疲れたので休みたくなった。
多忙な仕事に続き最愛の栞を出産し、近くにはシュウトがいるから安心しきっていた。
しかし、栞だけはまだ夢があった。
「私もお母さんみたいに芸能人になって有名になりたい!!」
栞は夢を持っているので、栞だけは頭の中でこれからの事を一生懸命考えていた。栞の頭の中では、キラキラなドレスの衣装や宝石を身にまとい、かっこいいポーズで宣伝ポスターになっている自分を想像する。
レイラとは逆で仕事の多忙を望んでいた。
浜辺のある宇宙空間の中で手を繋いで浮かんだ4人。しかし、栞だけが誰かに足を引っ張られて後ろへと下がっていき、とうとうみんなの手から離れてしまった。3人は一直線に手をつないだ状態で光のある宇宙の遙か彼方へ消えた。栞だけが暗闇の渦の中に入っていき彷徨っていた。すると、一人だけ眩しい世界へと瞬間移動してしまったのだ。ある意味、自立して大人になったということなのだろうか。
まだ見たことのない栞の未来がそこにはあった!
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