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宇宙オリンピック
レイラの最大プロジェクト。
『宇宙オリンピック』
とうとうこの日がやって来た。
大女優が宇宙に行くというのは初めてだ。レイラは今日まで必死にスポーツを続けてきた。ほぼ遊び半分だったが、よくここまでこれたと思う。
宇宙オリンピックは、宇宙飛行士が月の上で行う初のスポーツ大会だ。しかし、今回はカラオケ大会も初開催。各国の人々がロケットを打ち上げてカラフルな国旗を立てて沢山の集団が集まる。
レイラも日本国の代表として宇宙へ来た。隣には富の姿もある。
「富~!遂に宇宙に来ちゃったぁ~!」
「お嬢様、私までつれて来てくれてありがとうございます。一生忘れませんからね。」
「何?まるでもう死んじゃうみたいじゃんかぁ……」
レイラは月へ移動しようと小窓を開けた。
「ふわふわするね。自分がわたあめになった気分!」
いよいよ宇宙オリンピックが始まる。
地球上ではみんながテレビやYouTubeの画面で見守っている。
「JAPA~N REIRA~~~」 ヒュー ヒューー‼
月の上で手を振るレイラ。
「あ、これライブ感覚!歌っちゃおうかな!富~、曲流して~!」
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
「あれ?みんなも踊ってる!イェ~イ!なんか楽しくなってきた!」
「お嬢様、見てください。みんながジャンプしていますよ。そのまま歌い続けて下さい!」
宇宙オリンピックは自由なのか?
なぜかパフォーマンスタイム突入。
でこぼこに落ちないようにスタンドマイクを振り回す。世界中の中継画面にレイラの姿、そして歌声が広がる。
「ダンスはスポーツに入るのかな?」
審査員も旗を振り、優勝しそうな勢いでみんなが注目している。
「フォ~~~~~~~~~~~~~~~~~~‼」
盛り上がっている時、外国人が足を滑らせて何やら操縦ボタンを押してしまった。
次の瞬間、
「ウィーーーン、ウィーーーン…………」
すると、レイラの足下のでこぼこが黒い空洞になり、吸い込まれてしまった。
「キャーーーッ‼」
「お嬢様~~~っ‼」
一瞬でレイラは一人何処かへワープした。
宙に浮いたままゆっくりとどこかの街へと舞い降りていく。
「ここは何処なんだろう?」
すると、そこはまた違ったレイラに生まれ変わる世界。
キラキラした世界とは逆で、ごく普通の一般人のレイラの姿。
髪型も服装、全ての色が地味だ。
性格もかなり落ち着いていておとなしい。
ここの世界では、レイラはかなり大人に見える。
レイラは大女優の記憶は全く覚えていなく、この世界でもう一人のレイラを生きることになった。
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