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〜Hunter〜
バーチャルオフィスに集まったメンバー。
ミカエルによる、緊急召集である。
「ガブリエル、今夜のあいつは俺の標的じゃない。その上、1億のフェラーリまで失うとは…クソッ、どうなってやがる❗️」
フェラーリのカメラで、車から降りた桐谷を写し、直ぐに調べて刑事だと知った。
「証拠を残すわけにはいかないだろう」
爆破を判断したガブリエルの反論。
チームの計画を練り、統率するのが役目である。
「十分調べた標的だ。時間通り職場を出たのも確認した。駐車場で入れ替わったんだ。つまり、完全に計画が漏れたってことだな…」
ガブリエルは、病院の監視カメラに侵入し、確かめていた。
「計画を知ってるのは、あの原田ってヤクザと我々だけだ」
「おいラファエル、お前この中に裏切り者がいるとでも思ってんのか?」
「ヤクザが警察へ通報するわけないだろう。まして、昼間にあんな無茶苦茶な運転したヤツだぜ」
極一部を除き、飛鳥組と警視庁が繋がっているなど、想像できないのが普通である。
「しかしミカエル、2度も同じヤツに負けるとは、腕が落ちたんじゃないか?」
「何だとラファエル?」
ラファエルも煽り屋の役で、これまで幾つもの動画に出ていた。
「まぁ、ちょっと落ち着こう。まず不思議な点は、昼間のドライバーがヤクザで、煽られたのに何故入会に来たのか?」
ガブリエルが、会合の主題に戻す。
「ただの偶然よ。 昼間に煽られ、興味を持ったんじゃない? ウチら煽り屋グループは、SNSで人気だからね。まぁ…ミカエルに追われて、自信ついたのかもね〜ハハハ冗談よ、」
「しかし、確かにあの腕は欲しかったな。カマエルも失って、あと1人ドライバーが欲しかったんだが…」
「ガブリエルはどう思うの? 確かにアイツは少し狂ってたけど、信号無視して事故死なんて、元レーサーがあり得ないでしょ」
「アリエルの言う通り、この2週間で2人も異常な死に方をしているのは、偶然とは思えない」
「ウリエルね。東京タワーから落ちて死ぬなんて。自殺するほど悩む性格には見えなかったわ」
少し静まり返るルーム。
「なんかさぁ…ファントム・シンドロームとか、ゴースト・シンドロームとか噂で、存在しない人が目撃されててさ。ネットで見たけど、ここのメンバーのアバターに似てるって言うか…」
「アリエル! 噂なんか信じるな❗️」
現実世界での恋人に、声を荒げるミカエル。
「冷静になれよ、死にかけたメンバーは、他にもいるし。安易に無視はできないな」
「アズラーイールか…ラファエルの言う通り、皆んなそれぞれ、注意するに越したことはない。暫くは間を空けるか」
「バカ言うなガブリエル。何ビビってんだ。SNS界に休止期間なんてない! 続けないと、直ぐに忘れ去られてお終いだ。明日はやめるが、明後日もう一度あの女を狙う。1日空けば、警戒は解けるだろうしな」
「大丈夫なの? 本当に。死亡事故になったのはまだ3件だけど、今日アップした1年前のは、やっぱりヤバかったわね」
「相手が白和泉財閥のご令嬢ってだけで、あんなに違うとはな。くだらない世の中だぜ。でもおかげ様で、このD-Momentで上位を取ることができたんだ。この勢いで、どんどんやってやる。今夜は以上、解散❗️」
オーナーの閉鎖で、ルームは強制終了した。
有名な7大天使、ミカエル、ラファエル、ガブリエル、ウリエル、アリエル、カマエル、アズラーイール。
2人は死に、1人は重症。
残された4人の天使、ミカエル、ラファエル、ガブリエル、アリエル。
彼らが企む煽り屋『Hunter』の投稿動画。
その彼らを待ち受ける運命。
事件は、クライマックスへと進み始めた。
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