最後の頼み事

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私は頼まれればNoと言えない性分だ。 特に好きになった男に関しては。 それで痛い目に合ったのも数知れず……… 心の中ではダメと分かっている。 自分に何度も言い聞かせているが結局、引き受けてしまう。 理由は断れないこの性格と、彼を真に愛しているからだ。 雪光は街では有名な半グレ集団『主音意苦(すねいく)』のメンバーで地位もそこそこ高い。 だけど、女を大切にしてくれないクズ野郎でもあった。 私を性欲のはけ口、お金を稼ぐ都合のいい女としか見ていない。 更に出世する為に、私をボスや幹部連中に夜のお世話をさせる始末。 身体を彼氏以外の人間に抱かれる度に何度も枕を濡らした事も、一度や二度ではない。 しかも口答えすれば、彼は躊躇うことなく暴力を奮った。 完璧なクズ男だが、それでも私は彼を愛した。 両親に見捨てられ、路上で一人あてもなくさまよっていたのを助けてくれたのは雪光だ。 彼は優しく接し、私を救ってくれた。 その事が頭に思い浮かび、許してしまうのだ。 ベッドで私に覆いかぶさって、耳元で慰めの言葉を出しながら優しく囁く。 「これが最後だから」 この言葉が真ではないのは知っていた。 それでも彼に捨てられたくないという思いが強くて、最後は「まぁいいか」と許してしまう。 でもその思いも徐々に薄れていく。 ある出来事が引き金によって………

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