114.甘くとろけるアイスクリーム ※R18エロ

1/1
前へ
/126ページ
次へ

114.甘くとろけるアイスクリーム ※R18エロ

 柔らかく唇を()まれる感触は不思議と覚えがあった。  夢の中で彼から優しく口付けられた時と同じ、そう感じたのだ。 「……、……」  これが捕食行為の工程だとしても、大好きな彼から口付けられていると錯覚して、なんだか嬉しく感じてしまう。  でも、本当は嫌われているから捕食される訳で、嬉しいと感じてしまう反面、胸が絞めつけられて、切なくもなってしまうのだけど。 「……っ……ん……」  軽く食まれていた唇が甘噛みされて、味わうように舐められ、次第に口付けが深くなっていく。  夢の中の彼と現実の彼とが交錯して、僕の感情はぐちゃぐちゃになって、もうどうしていいのか分からなくなる。  胸も息も苦しくて、彼を押し返そうと伸ばした手は胸元の服を握り、縋るみたいにして名を呼んでしまう。 「んん……ダー、ク…………はっ、んぁ!」  息苦しさに開いた口から、肉厚の舌がねじ込まれ、口の内をねぶられる。  舌先で上顎をくすぐられ、逃げる舌を追われて絡め取られ、しゃぶられてすすられる。  その刺激が痺れるほどの甘い快感になって、反射的に僕も舌を絡めてしまう。 「は、んく……ちゅ、ちゅっ……はむ、んっ……はぁ」  暫くして、ようやく唇が離された頃には酸欠状態で朦朧として、荒い息を吐いていた。  飲み込み切れず溢れたどちらのものともつかない唾液が、口の端から垂れ落ちる。  零れた唾液も舐め取るように、彼の濡れた唇と舌が僕の肌の上を滑っていく。 「はぅ、ん…………あっ!?」  口付けに夢中で気付かなかったが、いつの間にか僕の衣服は乱され、半裸状態のあられもない恰好になっていた。  彼は僕の首筋に舌を這わせつつ、乱れた服の隙間から手を滑り込ませ、僅かに残る衣服まで剥ぎ取っていく。  直接、肌へ触れられる感触に震え、身悶えてしまう。  ふと、熱っぽい視線で見られていることに気付いて、僕は裸を見られる羞恥心に堪らず声を上げた。 「あ! ダーク……やだぁ、恥ずかしい……見ないでぇ……うぅ……」  涙目になりながらか細い声で訴えて、身体を縮こめ両手で自分を抱きしめて隠す。  けれど、そんなことを許してもらえる筈もなく―― 「駄目だ。今度は俺が食う番だ……全部、隠さずに見せろ……」  ――簡単に両手を剥がされ、頭の上でまとめて片手で押さえつけられてしまう。  彼の目の前に、一糸纏わぬ僕の裸が晒されてしまった。  体勢のせいで胸を反る形になり、白い身体のそこだけ赤く色付いている乳首を主張するような姿勢になる。  そんな痴態を彼に見られているなんて恥ずかしくて、全身が真っ赤に染まっていく気がした。  僕を見下ろす彼は熱のこもった溜息を吐き、肌が粟立つほどに顔を寄せて囁く。 「ハァ……本当に美味そうだ……」 「ぁ……ひゃん!」  ねっとりと舌を這わされ、僕の乳首が彼の口に含まれてねぶられ、甘く嚙まれる。  鋭い刺激にビクンと身体が跳ね、断続的な快感に甲高い声を上げてしまう。 「あっ、あぁ……や、舐めちゃ、いやぁ……そこ、嚙まない、でぇ……ひ、あぁ……」  身をよじって刺激から逃げようとするけど、押さえつけられていて叶わず、逃れられない快楽に喘ぐ。  もう片方の乳首も指先で撫でられて、ぷくっと立ち上がってきたところを潰され、こねられて爪先で弾かれる。  彼が一度口を離した乳首は、ぷっくりと充血して丸く膨れ、てらてらと濡れていて、瑞々しく熟れた赤い果実のようにも見えた。  再び彼が美味そうに育った果実にしゃぶりつき、吸い上げて歯で弾力を愉しみ、舌先で転がして弄び味わう。 「んっ、んぅっ……あ、や、あぁっ……も、吸わないでぇ……っ、そんな弄っちゃ、だめぇ……あっ、あ、あぁん……」  強すぎる刺激にビクビクと身体が震え、声が抑えられなくて、僕はわけが分からなくなって喘いでいた。  彼は僕の身体を味わいながら、全身を舐め回す勢いで舌を這わせ、徐々に下方へと降りていく。 「どこもかしこも甘い、果実みたいだ……ああ、たまらない……」  熱く呟いた彼の大きな手が、僕の胸、鳩尾(みぞおち)(へそ)、下腹、太腿へと移動していき、脚を掴んで割り開く。  快楽にしびれて息も絶え絶えだった僕は、ろくな抵抗もできずにされるがまま、大きく開脚させられる。 「ふふ、可愛いな。こんなに蜜を滴らせて……」  彼の言葉に驚いて目を向ければ、開かれた脚の中心には僕の淡い色の屹立が見えた。  それは涎を垂らすみたいに透明な蜜をたらたらと溢し、震えてそそり立っていたのだ。  あまりの羞恥心に眩暈がして、慌てて脚を閉じようとしたけど、力が全然入らなくて抗えない。 「あっ、やぁ……こんな恰好、やだぁ……恥ずかしっ、見ないで、見ないでぇ……あぅう、放してぇ……ふぅ」  身じろいで逃げようとする僕の膝裏を両手で押さえ、彼は顔を近付けてまじまじと見て、恍惚とした表情で口を開く。 「すごいな……こんなに美味そうだなんて……」 「えっ、うそ、うそ! そんな、そんなところ食べちゃ、だめぇっ!!」  彼の長い舌が伸ばされ、垂れる蜜がれろりと掬われる。根元から先端までを何度も舐め上げられた。  蜜を舐め取ってしまえば、今度はもっとよこせと言わんばかりに、舌先で蜜口をほじられ、念入りに先端を舐め回される。 「や、あぁっ、あぁん! ひんっ、ひあっ、あんっ! やぁんっ、あっ、あぁっ!」  襲いくる猛烈な快楽にがくがくと身体を震わせ、ただ嬌声を上げることしかできなくなっていた。  それなのに、彼は更に美味そうに蜜棒にむしゃぶりつき、強烈な快感を与えて、僕の全てを食べ尽くそうとするのだ。  蜜棒の先端を舌先でいじくり、唇でかりくびをしごかれ、熱く濡れた口内に丸々含んで吸われ、蜜が溢れ出すはしからすすられる。 「ひぃんっ! ふっ、んんっ、強ぃ! そんな、吸っちゃ、あっ、強いぃ、やぁっ!」  じゅぷじゅぷと卑猥な音を立て、弱いところを執拗に責められ、追い詰められていく。  前世も含め、淡白だった僕は色事に疎く、そういった経験がまったくなかった。  だから、人に恥部を晒し触られて、予想できない刺激に翻弄されるだけでもたまったものじゃないのに、剥き出しの性感帯を直接刺激されてはひとたまりもない。  限界が間近に迫ってきて、僕はいやいやと頭を振り、放して欲しいと彼に請う。 「あっ、あっ、あん……も、や、やめて、出ちゃう! 出ちゃうからぁっ!!」 「んく。……いいから出せ。全部、食ってやる……ちゅっ、ちゅぷ、じゅるる……」  蜜棒をくわえたまま喋るものだから、彼の腰に響く低い声に刺激されて、余計に高ぶらされていく。  必死に彼の頭を離させようと両手で押すのに、刺激されると快楽にしびれて力が抜け、彼の黒い髪に指を絡めて撫でるだけになってしまう。  絶え間ない快楽に追い立てられ、とうとう限界を迎え、僕は彼に強制的に絶頂させられる。 「いく、いくっ、いっちゃうぅ! ひ、あぁんっ! あぁっ、ぁああああっ!?」  激しく達して絶頂の波に痙攣しながら、僕は我慢できずに彼の口の中へ蜜を吐きだす。  ビュッビュと蜜液がほとばしり、それを彼は舌を絡めてすすり上げ、ごくんと喉を鳴らして飲み込んだ。 「あっ……はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ」  絶頂の余韻に呑まれ、脱力する僕は思考が働かないまま、乱れた呼吸を繰り返して彼を見つめた。  蜜液を搾り取るように吸い上げてから、彼はようやく口を離し、僕の蜜で汚れた唇をべろりと舐めて見せる。  それから、興奮した荒い息遣いで僕の内腿に噛みついて食み、ギラついた目で悩ましい表情を浮かべ、熱い息を吐きかけて呟く。 「ハァ……全部、食い尽くしてしまいたい……」 「はぁ、はぁ、はぁ……ひぁ…………ん、あっ?! やっ、な、なに??!」  内腿をはぐはぐと甘噛みして舐めていた彼の舌が、不意に尻を撫でて奥の(すぼ)まりを舐めつついた。  後孔のふちを舐めて濡らし、たっぷりの唾液でぬめる舌先が孔のシワを伸ばし、長くて厚い彼の舌が秘所にねじ込まれていく。 「あう、あっ……そんなとこ、や、あっ……舌、入ってきちゃ……う、あぁ、あっ、ひうぅ……」  ねじ込まれた舌が(うごめ)いて、中を濡らしながら奥へ奥へと潜り込んでくる。  誰も触れたことのない秘所が暴かれ、想像を絶する感覚に総毛立ち、僕は快楽から逃げられずによがり鳴いた。  十分に濡らされところで、太腿を押さえていた指が蜜孔へと突き立てられ、ゆっくり差し込まれる。  舌先で唾液を足されながら、節くれだった指が抜き差しされ、僕の内が探られていく。 「ひゃあぁ! ひあっ、あぁ、なに? なにこれぇ?? あっ、あっ、あん、あんん!」  蜜棒の付け根の奥の部分、内側にある一点を撫でられると、全身に電気が流れるような衝撃が走る。  経験したことのない快感に仰け反り、シーツを掻いて握りしめ、僕は目を見開いて嬌声を上げた。 「ひあぁあっ!! あぁっ、あぁんっ、んんっ」    時間をかけてじっくりと解されていき、一本だった指が二本に増やされ、強く感じるそこをはさまれて擦られ、更に三本に増やされ、執拗にこねてすり潰される。  もう、僕はどうしようもなくて、すすり泣くような鼻声を出してしまう。 「あっ、あぁ、ふぅっ……んっ、ひあっ、はぁ……はぁ、んっ、んうぅ……」 「そろそろ、いいな……もう、我慢の限界だ……」  散々弄くり回され、蜜孔からぐちゅぐちゅと水音が響くようになってから、やっと彼の指が引き抜かれる。  快楽に酔いぐったりと力の入らなくなった僕から手を離し、彼は乱れていた自分の衣服を脱ぎ捨てていく。  汗ばんだ褐色の肌が露わになり、その中心にそそり立った彼の剛直が目に飛び込んでくる。  褐色の肌の中でも赤黒く色付いていて、血管が浮くほどにぼってりと膨れたそれはとても太くて長い。狼獣人特有なのかカリが張っていて根元にはコブみたいなものがあった。  僕のものとは余りにも違いすぎて、雄々しさがグロテスクに感じられ、僕は怖くなって生唾を呑み逃げ腰になる。 「ひっ……ごくり。…………あっ、きゃん!」  彼は再び逃げようとした僕の腰を掴んで引き戻し、大きく脚を割り開かせてのしかかる。  そうして、先走りでぬるついた剛直を蜜孔の周りに擦りつけてなぶり、僕を犯そうとしていた。 「あ、あぁ……ダーク……ごめんなさいっ……ごめっ、なさい……もぅ、許してぇ……」  涙を溜めた目で見上げて許しを請い、僕は腰をくねらせて逃げようとする。  なのに、彼の先端が押し当てられた蜜孔は、物欲しげにひくついてしまうのだ。  そんな僕の媚態を欲情の色が灯る目で眺め、彼は小さく笑った。そして、擦れた低い声で囁く。 「ふっ。誘っているようにしか見えないぞ……それに、逃がさないと言っただろう。逃げなかったお前が悪いんだ」  許さないと彼に断言され、僕は絶望感に打ちのめされ、涙が頬を伝った。  悪役の僕は絶対に許してもらえない。  彼に嫌われたままいたぶられ、僕は食べられて死んでしまうのだ。  そう思ったら、どうしようもなく悲しくて苦しくて、涙が溢れて止まらなくなる。 「……ひぅ……ふぅ、ひく……ひっく……」  破滅の末路が回避できないものだとしても、いくら酷い死にざまの白豚王子でも、大好きなヒーローに食い殺されて死ぬ結末なんてあんまりだ。  僕はぼろぼろと涙を零してしゃくり上げ、恥も外聞もなく泣き喚いてしまう。 「ぐすっ……ひぐっ……ふえぇ、うえええぇ」 「フラン?!」  声を上げて泣きだした僕に彼はひどく驚いた顔をして、困惑した様子で慌てだす。 「フラン……フラン、泣くな……泣かないでくれ……フラン……」 「……ひっく、ぐすんっ……」  彼は優しい手つきで僕の頭を抱え、溢れて止まらない涙を舐め、頬を伝う雫を拭う。  濡れた目元やこめかみや鼻先や額など、いたるところに口付けし、(なだ)めようとしてくれている。  僕の愛称を呼ぶ彼の声が、夢の中の彼みたいで、胸が絞めつけられて切なく痛む。  そろりと見上げれば、彼は不安げに瞳を揺らめかせ、眉尻を下げて僕を見つめていた。  僕に泣かれ拒まれたことが悲しかったのか、狼耳を倒して低く伏せている姿は、どことなく迷子になってしょんぼりとする子犬を連想させる。  そんな姿を見てしまうと、不思議と恐怖心が薄れ、悲しく苦しかった気持ちも和らいでいく。 「フラン、フラン……フラン……」  何度も愛称を囁く彼の甘い声音を聞いていると、まるで僕は愛されてるようだと勘違いしてしまう。  こんな風に、誰かに愛称を呼ばれ、抱きしめられたことはなかったのだ。  愛されているみたいで、彼の温もりや抱擁が嬉しくて、僕に出来ることならなんでも、彼の望みを叶えてあげたいと思ってしまう。  僕は手を伸ばして彼の頬に添え、真っ直ぐに見つめた。  伏せられた耳や柔らかい毛髪をよしよしと撫でて、微笑みかけて伝える。 「ダーク……いいよ、食べて。全部、君にあげる」  両手を開いて彼の首に腕を回し、ぎゅうぅっと抱きしめる。  瞬間、彼の耳がピンと立ち、尻尾がブワッと膨らんだのが分かった。  背中越しに尻尾がパタパタと嬉しそうに振られるのが見えて、思わず笑ってしまう。 「フラン……」 「ダーク、大好き」  見つめ合い、微笑み合って、僕達は甘くとろけるような口付け交わす。
/126ページ

最初のコメントを投稿しよう!

200人が本棚に入れています
本棚に追加