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番外編.ハッピー・ホワイト・デー(1/2) ※R18エロ
「なにこれ?」
「全部、お前宛ての贈り物だ」
バレンタイン・デーのイベントを思い出したことで、僕は実家の家族や貧民街の皆にも感謝の気持ちとしてチョコレート菓子を作って送っていたのだけど、約一月後にそのお返しとして大量の贈り物が届けられてきたのだ。
積み上げられたプレゼントボックスの山を見上げ、僕は吃驚して開いた口がふさがらない。
「ちょっとしたお菓子を送っただけなのに、こんなにお返しくるなんて思わなかった」
「否、お前の手作り菓子なんていったら、値段が付けられないほどの価値があるからな。これでも控えめなくらいだろう」
「えぇえ?! そんな大袈裟な……ちょっと元気になれるだけのただのお菓子だよ?」
「逆になんでお前がそんなに価値を理解していないのか、俺は不思議で仕方ないぞ」
贈り物を前に首を傾げている僕を見て、彼は目を眇めて呟いていたのだった。
「中身を確認するだけでも結構かかりそうだね」
「そうだな。まぁ、俺も手伝うから気長にやろう。それと、俺からもバレンタインのお返しをしないとな。何が欲しい? 俺にできることなら何でもいいぞ?」
「わぁ、ありがとう。何にしようかな…………ん? 今なんでもって言った?」
僕はブンッっと彼の方を振り向いて、期待に満ちた眼差しで見上げる。
「ああ、言った。俺の時と同じく、お前の言うことを俺がなんでもきく日にしてもいいぞ」
「本当?! 絶対それがいい! ダークを独り占めして、あんなことやそんなことやこんなことまで、できちゃうとか最高すぎる!!」
僕が大はしゃぎして彼に飛びつくと、彼は大歓喜ぶりにちょっと驚いていたけど、僕を抱き上げてクルクルと回り、抱きすくめて笑って訊く。
「それで、どうして欲しい? お前の望みなら、なんだって叶えてやる」
「僕ね、ずっとダークにお願いしたかったことがあったんだ!」
これまで、なかなか言い出せなかったことがあったのだけど、この際なので思い切ってお願いする。
◆
『……お前は俺にこんなことがしたかったのか……』
「うん♡ 僕は今、最っ高に幸せだよぉ、ダークぅ♡ えへ、うへへへへぇ」
獣化してヘソ天してもらった彼のお腹の上にダイブし、僕は温かいモフモフの海を思う存分堪能していたのだった。
「ふわぁ、このモッフモフたまらぁん……あはぁ、気持ちよすぎてダメになっちゃうぅ……あへぇ♡」
『……お前はなんて顔をしているんだ……だいぶダメな顔になっているぞ……』
とろんとしてよだれを垂らしそうになっている僕の顔を見て、彼がなんとも言えない眼差しを向けてくるけど、このモフモフの誘惑に僕は抗えないのだ。
猫吸いならぬ狼吸いをして、彼の匂いを思いっきり吸い込み、モフモフの毛並みを撫で回して楽しむ。
「ダークのモフモフいい匂する♡ ふんふん、くんくん、すーはーすーはー、はむはむ、あむあむ」
『あっ、こら、吸うのはやめろっ、くすぐったくてかなわん! おわぁ!? 食むな! 舐めるなぁ!! そこはダメだっ、はぅっ……はふっ、はふっ……くぅん……っ!!』
身悶えて犬みたいに鼻を鳴らしちゃった彼が、慌てて両手で鼻を押さえる仕草もまた可愛いくてたまらない。
「はぁ〜ん♡ ダーク可愛い〜、好き、好き、大好きぃ〜、んん〜♡ モフモフなダーク、最っ高に可愛い〜♡」
『……こんな俺を可愛いと言うのはお前だけだぞ……』
周りの人が暗黒色を怖がるから、彼は獣化することを極力避けるのだけど、僕はこの巨大で格好良くも可愛い狼姿が大好きなのだ。
めちゃくちゃ可愛がりたい気持ちにもなるし、ちょっと意地悪して愛でたい気持ちにもなってしまう。
今日は特別な日なのだからと開き直り、メロメロデレデレな僕は彼におねだりする。
「人姿のダークも獣姿のダークも僕は大好きだよ。今日は特別な日だから、いつも見せてくれないダークの獣姿をいっぱい見せて、いっぱい触らせて。ねぇ、お願い、ダークぅ♡」
『ぐぅっ……漢に二言はない! どうにでもしろ!! …………はぅっ……はふっ、はふっ……は、くぅん……っ!!』
僕は最高に可愛いくて愛しい狼姿の彼を、思う存分堪能したのだった。
◆
「お母様はまたなんてものを紛れ込ませてるの!」
二人で大量のプレゼントボックスを開けていると、中からとんでもないものが出てきたのだ。
白いフワフワ毛並みの猫耳と尻尾がセットになった、フリフリスケスケのランジェリーである。
これはきっと、エプロン同様に母チョイスの代物だろう。
だが、何故にこんな刺激的な下着が送られてくるのかは、甚だ疑問なのだが……。
「これはまた、可愛いのが混ざっていたな。お前によく似合いそうじゃないか?」
「こんなヒラヒラでスケスケなの、破廉恥すぎるよ! 僕、絶対着ないからね!!」
「その下着はともかく、この耳くらい付けてみてもいいだろ? ほら、白猫の獣人みたいで可愛いぞ。ふふ」
僕の手元を覗き込んでいた彼が楽しげに笑い、猫耳カチューシャを手に取って僕の頭に付ける。
「白豚なのに白猫でいいの?」とか、「耳が四つになるけど変じゃない?」とか、ツッコミ所は満載なものの、彼がご機嫌なので「まぁいいか」とそのまま付けておく。
「同じ箱に菓子の包みも入っているぞ」
「あ、本当だ。これチョコレートのお菓子かな?」
飴玉よりも一回り大きいだろうか、一口サイズの真ん丸チョコレートがたくさん入った包みがでてきた。
一粒摘まんで見てみると、とても美味しそうなキラキラとした光沢を放っていて、僕は釘付けになって涎を垂らしそうになる。
「美味しそう、じゅるり……ちょっとだけ食べちゃおう。パクッ」
チョコレートを口に放り込んでカリッと齧ると、中からジュワリと蜜が溢れでてきて、濃厚で芳醇な味わいが口いっぱいに広がり、うっとりとしてしまう。
蜜がじんわりと喉を伝い身体に浸みこんでいく感覚がフワフワポカポカとして、酩酊するような心地になっていく。
「ふわぁ、美味しい……これお酒みたい。チョコレート・ボンボンだぁ♡」
「ああ、箱の奥から添え書きがでてきたな。何々――」
【愛しの子豚ちゃんへ。奇跡のお菓子をありがとう。お返しにアイス・ランド王国が総力を挙げて開発した魔法技術の集大成、ラブラブ・ミラクル・チョコレートを贈ります。子宝が欲しくなったら使ってね♡ 使い方は~】
思考がフワフワとしてしまって彼が読み上げてくれているんだけど、内容が全然頭に入ってこない。
「――これはまた、とんでもない代物が贈られてきたな……」
彼が神妙な顔で考え込んでいるけど、僕は身体が熱くなってきてソワソワとしてしまってそれどころじゃない。
どうにも彼にかまって欲しくて仕方ない気持ちになって、甘えた声でおねだりしてしまう。
「ダークぅ、一緒にチョコレート食べよ♡」
「フラ――んっ!」
開いた彼の口にチョコレートをねじ込んで、僕は自分の唇で彼の口を塞ぎ、深い口付けをする。
彼の首に腕を回して、舌先で彼の口内のチョコレートを転がし、少しづつとろけていく味を楽しむ。
「……ん、ふぅ……ちゅ、ちゅっ……ふぁ、ん……ちゅぷ、ちゅ……ん、はぁ……」
とろけたチョコレートの中から蜜酒が溢れ、二人で舌を絡め合い、舐め合って味わう。
蜜酒に酔わされて、僕はどんどん気持ちが高ぶって、彼をもっと味わいたくてたまらなくなっていく。
「はぁ、美味しい……ちゅっ、ちゅ……なんだかエッチな気分になってきちゃった……ねぇ、ダークはもっとエッチな僕の姿見たい?」
「ごくり…………見たい」
彼は生唾を呑み込んで、蜜酒のせいか熱に浮かされたような目で僕を見つめ、頷いた。
「いいよ、僕のお願いきいてくれたら……エッチな僕の姿いっぱい見せてあげる♡」
酩酊して理性が飛んでいるなと意識の片隅でぼんやりと思いつつ、それでも愛しい彼を味わいたい気持ちが抑えられず、ベッドへと誘ってしまうのだった。
◆
「ダークもこんなの好きなの? どう、似合う?」
エッチな気分になっていた僕は、正気だったら絶対に着ないだろうランジェリーを身に着け、白いフワフワの猫耳と尻尾のアクセサリーも付けて、彼の前で後ろ向きに腰を振って尻尾を揺らして見せていた。
「ああ、可愛い……早く抱きたい……」
「ダァーメ、『待て』だよ。僕に触っちゃダメ。もっとエッチな僕のこと見てて、ダークをいっぱい味あわせてくれたら、その後は好きにしていいから、ね?」
「ウ゛ウゥ、グルルゥ……」
彼は肉食獣のギラギラした目で僕を見つめ、獣っぽい唸り声を上げて歯噛みする。
絶対的強者である筈の彼に『待て』をして服従させているこの状況に征服感が刺激されて、僕はゾクゾクとした愉悦に酔い痴れてしまう。
ベッドに仰向けで寝そべる彼に乗り上げて、身体を添わせて見下ろし、耳元に口を寄せて囁きかける。
「そんなに唸らないでよ。ちゃんと気持ち良くしてあげるから……はぁむ♡」
「うぁっ、フ、フランッ?!」
フワフワな耳を食んで舌先でチロチロと舐めると、彼の身体がビクンと跳ねた。
「ちゅっ、ちゅ、ちゅぅ、ぺろ、ぺろ、れろり」
「ふっ……はっ……っ……はぁ……ぅ……」
やっぱり、人より獣の部分は敏感なのかもしれないなと思い、丁寧に舌を這わせて舐めると、彼の吐息に艶が混じっていく。
手も使って反対の耳も柔らかく撫でてくすぐり、ピクピクと震えるフワフワの耳の感触を楽しむ。
僕に翻弄されて悶えている彼の姿がたまらなく愛おしい。
「ちゃんと『待て』できて偉いね。ダーク、可愛い……ちゅっちゅっちゅっ、ん♡」
「くぅ……っ……ん」
よしよしと彼の耳や頭を撫でて、彼に口付けの雨を降らせていく。
口付けながら彼の衣服を脱がせ、褐色の肌を食んで舐め上げ、吸いついてじっくりと味わう。
「ちゅぱ、れろ、れろぉ、ちゅっ、ちゅうぅ」
「はぁ……はぁ……はっ……は、ぁ……は、くぅ」
身体に手を這わせて撫でながらチラリと見上げれば、眉根を寄せて悩ましく僕を見つめる視線と目が合い、支配感にすごくドキドキしてしまう。
徐々に下の方へと降りていき、下腹の辺りまで口付けていくと、パンパンに張り詰めた下穿きが目に留まる。
そのまま下穿きの上から弄って意地悪しようかなとも思ったのだけど、少し指を這わせて撫でただけでも苦しそうに息を吐くので、可哀想かなと思ってすぐに下穿きを脱がしてあげる。
「フゥ、フゥ……ハァッ、ア……」
ちょっと下穿きをずらしただけで、ブルンと飛び出してきた肉棒は血管が浮くほどにぼってりと膨れ上がっていて、ムワリと濃厚な雄の匂いをさせて透明な先走りを垂らしている。
それが、僕の目にはたまらなく映り――。
「はぁ、すごい美味しそう……あぁ~ん♡」
「っ!?」
――思わず、大きく口を開けてしゃぶりついてしまう。
「れる、れろぉ、ちゅうぅ、ちゅっ……んはぁ、美味しい……ちゅぷ、ちゅっ、ちゅうぅ」
「ハァッ……はぁ、くっ……はあ……ッ……グルゥ……ハァッ、ハァッ……」
彼の肉棒が大きすぎて口に入りきらないので、舌先で先端をなぶり、カリ首を唇でしごいて、両手で裏筋や陰嚢を撫でて気持ち良くしてあげる。
そうすると、甘くてとろりとした蜜がじわじわと滲んでくるから、美味しく味わっていただく。
「ハァッ、ハァッ……フラン、もう……お前の中に、出したい……ハァッ、ハッ……」
彼は躊躇いがちに手を伸ばし、僕の髪を梳き頭を撫でて、切なげに息を吐いて懇願する。
いつも彼は僕の奥に出したがるから、甘くて美味しい蜜を最後まで口で味わったことがないのだ。
「んーんっ、らぁーめ♡ 今日はダークをたっぷり味わうんだから、もっと♡」
カリやコブがいつもより張り詰めていて大きくなっている気がする。
このまま続けていたら、極上の蜜が味わえるかもと思い、より彼が感じるであろう性感帯――尻尾の根元を同時にしごいて、悶える彼を追い詰めていく。
「もっと気持ち良くなって、口の中にいっぱいちょうだい♡ ちゅっ、ちゅぱ、ちゅぷ、ちゅる、れろぉ、ちゅるぅ」
「フラッン! 尻尾はダメだっ……アッ……ハアッ、ハッ……もう、口離せ……ハ、ッ……出るっ、くうぅっ!!」
肉棒が脈動して、ビュクンビュクンと口の中に熱い蜜液が放出される。
大量に出てくる熱い蜜液を慌てて飲み込もうとするのだけど、ねっとりとした蜜が喉に絡んで、多すぎる量も相まって飲み込み切れず、口の端から白い蜜が溢れて零れ落ちていく。
「んふぅ、あむっ、ごくん、んはぁ、あふ、こく、こくん、ぷあっ!」
息苦しさについ口を離すと、放出し終わっていない肉棒から熱い蜜液が吐き出され、僕の顔や胸元にかかって白い蜜でドロドロになってしまう。
「ああ、せっかくのダークの美味しいの、零れちゃった……ぺろ、ぺろ……ぺろ、ぺろ」
もったいなくて、手の甲や顔や胸についた蜜液も掬って舐め取る。
さながら、猫が顔を洗っているような仕草かもしれないなと何となく思う。
それから、ちゃんと白い蜜液にまみれた彼の肉棒も綺麗に舐めてあげる。
「ぺろ、ぺろ、ちゅっ、ちゅぷ、ちゅうぅ、うふぅ……ダーク、美味しい♡」
「ハァッ、ハァッ……フゥ、フゥ……もう充分味わったよな、フラン?」
僕が極上の味わいに酔い痴れて恍惚としていると、唸り声を上げる彼に押し倒された。
「グルウウゥ……後は俺の好きにしていいんだろう?」
ギラギラと光る肉食獣の眼で彼に見下ろされると、支配されてめちゃくちゃに愛されたい欲求が湧いてきて、キュンキュンと身体が疼き切なくなってしまう。
「うん……ダークの好きにしてぇ♡」
両手を伸ばして彼の首に回して抱きつき、甘えた声でおねだりした。
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