妻を貸す話(というタイトルの小説です)

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妻を貸す話 八月の半ばを過ぎた頃の事である。 今年の夏は猛暑のため、男は朝早くから目が覚めさせられた。 時計をみると7時だった。 「行こうかな。どうしようかな」 まだ、眠たい目を擦りながら男は蒲団の中で考えた。 男は、週間天気予報に電話して、今週の天気を聞いた。 今日は晴れで、降水確率も0%だが、明日からは雨になるという事だった。 「よし。行こう」 男は立ち上がって、用意をして家を出て車にのった。 行き先は、大磯ロングビーチだった。 彼は、今年の夏、もう4回も大磯ロングビーチに行っていた。 男は湘南に住んでいて車で一時間もかからず、そう遠くないからである。 近くにも、50メートルの市営プールはある。こっちは400円で、一方、大磯ロングビーチは、駐車代2000円で、入場料5500円である。なぜ近くに50メートルのプールがあるのに、わざわざ、大磯ロングビーチへ行くかというと、もちろん泳ぐためであるが、一番の目的は、他にあった。それは、大磯ロングビーチには、ビキニ姿の女性が沢山、いるからである。近くの市営プールではビキニ姿の女がいないからである。彼はビキニ姿の女を見たくて、高い金を払って、大磯ロングビーチへ行くのである。 彼にとってビキニ姿の女は、この世で最高の美だった。 彼はもうすでに今年の夏、江ノ島の海にも5回行った。 だが、海より、大磯ロングビーチの方が、じっくりと女を見れるのである。 だから彼は大磯ロングビーチに行くのである。 だが、彼は大磯ロングビーチに行く事に、少しためらいを感じるのである。 なぜかというと、男一人でビーチに行く客は、いないからである。 アツアツのカップルか、幼い子供を連れた夫婦か、女同士の友達か、ともかく仲のいい人を連れている。それは、まあ当然である。あそこはレジャーランドであり、わざわざ遠くから来るのは、夏の一日を仲のいい人と楽しむためである。 一人で来るのは彼くらいである。 そのため、男一人というのは、本当に彼一人である。 そのため、彼は、出来るだけ目立たないように行動した。 しかし、やはり4回も男一人だけでくると、プールの監視員やら、従業員に顔を覚えられてしまいやすい。 もう今年は、海でもロングビーチでも十分、ビキニ姿の女を見たから、もう、いいとしようかとも思ったが、もう八月もおわりになると思うと、夏に対する未練が残ってしまいそうで、彼は出かけた。 彼は、小説を書いていたが、いいネタが思い浮かばず、書きあぐねていた。 「家に閉じこもっているより、何でもいいから行動した方が、何かネタが思いつくかもしれない」 彼にはそんな気持ちもあった。 そう思って彼は車を飛ばした。 ビーチにつくと、もう客がいっぱいだった。 彼は、ロッカーに荷物をあずけてビーチに出た。 ビーチではセクシーなビキニ姿の女がいるわいるわ。 彼女らとすれ間近に違う時、彼はこの上ない幸せを感じた。 夏は女も心が開放的になる。 ビキニは下着と同じようなものである。 下着姿で街を歩ける女などいない。 羞恥心から、とてもそんな事できやしない。 しかし、みんなでやればこわくない、の心理から女達は超セクシーなビキニ姿で、堂々と歩いているのである。尻が半分近くも見える。その上、プールに入れば、ビキニが濡れて体にピッタリと張り付き、もう美しい女の体の輪郭が、丸見えである。その姿は裸同然である。 彼は女とすれ違う時、しっかり脳裏に焼きつけて、今夜のおかずにしようと、尻や胸やYの部分などを、じっくりと見た。だが、これは、緊張をともなった。じっくり見たいが、女に気づかれては気まずいので、さりげなく見なくてはならない。二律背反である。 そこで彼は、色々と考えを凝らして、どうしたら、女に気づかれずに、女の体を見れるか考えを凝らした。 ダイビングプールの前でダイビングする人を眺めている女の後ろに立って、ダイビングの見物客を装って、女の後ろに立てば、女のビキニの尻と太腿をじっくり見ることが出来る。 食べ物屋に並んでいる女は横からの姿を見やすい。 ともかく、さりげなく後ろへ回り込むことだ。 そこらへんは、彼は武術家で、孫子の兵法まで読んでいて、戦術には、けっこう強かった。 アツアツの仲の男女が、女の腰に手をかけている男と女のカップルを見ると、彼は、美しい図だなー、と感じるとともに激しい羨望を感じた。 自分にも、あんな事が出来る彼女がいたら、どんなに幸せだろう、と彼は思った。 だが、彼はあながち、それが不満の形にはならなかった。 彼は、男女の仲を書いた恋愛小説をいくつも書いていて、そのことに誇りを持っていた。 「俺は小説家だ。小説家は、世界の観照者だ。現実に手を触れないから、創作できるんだ。君らは現実を享受している。現実を享受している人間には、美しい芸術はつくれないのだ」 それは、偉大な目的のための禁欲主義者の誇りのようでもあり、単なる負け惜しみのようでもあった。 ある一人の美しい女が座ってダイビングを見物していた。ので彼は彼女に気づかれないように、彼女の後ろにある程度の距離をとって、後ろから、じっと彼女の美しいビキニ姿を見惚れていた。 しばしして彼は、後ろからポンと肩を叩かれた。 彼はびっくりして振り返った。 一人の男が笑いながら焼きソバを二包み持っている。 「ふふ。僕の女房って、そんなに魅力的?」 彼は、真っ青になった。 「も、申し訳ありませんでした。とんだ失礼を致しました」 彼は深く頭を下げた。一発、殴られてもしかたがない、と覚悟した。 男の笑顔と発言を憤りと解釈したからである。 「いいんだよ。僕の女房が、他の男にそんなに見つめられるほど、魅力があるのかな、と思うと、とても嬉しいんだよ」 彼は、ほっとして胸を撫で下ろした。 「あ、は、はい。そ、そうです」 彼はヘドモドした口調で言った。 「はは。それは光栄だな」 その時、二人の話し声に気づいて、女が振り返った。 「ねえー。あなたー。どうしたのー」 女が夫に叫ぶように呼びかけた。 「この人がね、君をじーと見てたんだ。それで理由を聞いたら、君があまりにも魅力的だからって言うんだ」 夫は大きな声で言った。 彼は真っ赤になって俯いた。 「まあ・・・」 女も顔を赤くしながら、俯いている男をそっと見た。 夫はカチカチになって立っている男の手を掴んで、女の所へ連れて行った。 「さあ。久美子。立ちなさい」 夫に言われて女は立ち上がった。 スラリとした脚。抜群のプロポーションだった。 「さあ、久美子。この人と遊んできなさい」 そう言ってから夫は男に顔を向けた。 「君。僕の愚妻の久美子を貸すよ。好きなだけ遊んできなさい。何をしてもいいよ。たいした女じゃないから。レンタル料はタダ」 夫は、ははは、と笑った。 「まあ。あなた。失礼ね。私は物じゃありません」 女は脹れっ面で言い返した。 「で、では僕はこれで」 男が去ろうとすると、女は、 「まって」 と言って男の手をつかんできた。 繊細で華奢な指から女のぬくもりが伝わってきた。 「あ、あの。よろしかったら少しお話しません。私は別にかまいませんのよ」 夫にからかわれたことが、女にそんな事を言わせる気持ちをつくってしまったのだろう。 男は女に手をつかまれて、立ち止まって困惑した顔で夫を見た。 「あ、あの。ど、どうして、そんな事させてくれるんですか」 男は疑問にみちた表情で夫に聞いた。 夫は、ドッカとビーチシートに座った。 「結婚生活も二年になると、飽きが起こってきてね。君が妻と仲良くしてる姿を見れば、嫉妬心が起こって、少しはいい刺激になるんじゃないかと思うんだよ」 男は、なるほど、と納得した。 「私だって、あなたになんか飽き飽きしてますよ」 女は、イー、と子供のように舌を出した。 「さあ。行きましょ。あんな人ほっときましょ」 そう言って彼女は、男の手を牽いて歩き出した。 彼は女という存在に弱いので、彼女に牽かれてヨロヨロと歩き出した。 彼女のあたたかい手のぬくもりに、彼は頭がボーとして、ここがどこで、自分が何者なのか、がわからなくなっていた。 「あの。お名前は?」 「岡田純です。あなたは?」 「私は佐藤久美子と申します」 こうやって自己紹介が交わされた。 テラスの前に来ると、彼女はテーブルの前で足を止めた。 「座って。何か買ってくるわ」 そう言って彼女は、パタパタと小走りに食べ物売り場に走って行った。 半分近く見えるセクシーな尻が揺れて、彼は頭がボーとしてきた。 彼女はすぐに、たこ焼きを二包み、とオレンジジュースを二つ、買ってもどってきた。 彼女は、それをテーブルの上に置いた。 「たこ焼きにしちゃったけど、よかったかしら」 「は、はい。あ、ありがとうごさいます。ぼ、僕が世界で一番好きな食べ物は、たこ焼きなんです。あ、ありがとうございます」 彼は真っ赤になって、どもりどもり言った。 彼女はクスッと笑った。 彼は、あわてて、たこ焼きを爪楊枝で刺して口の中に放り込んだ。 「うわー。おいしー。こんなおいしい、たこ焼き、生まれて初めて食べました。ありがとうございます」 彼は、たこ焼きをモグモグほおばりながら、いかにも美味そうな顔をした。 だが、本当は彼は、たこ焼きが大嫌いだったのである。 彼は、食べ物に好き嫌いはなく大抵の食べ物は、何でも食べるが、たこだけは、どうしても食べられなかったのである。しかし、たこ焼きが嫌いなため、たこ焼きを初めて食べた、という発言は、あながち間違っていない。また、たこ焼きは彼にとって本当に美味しく感じてきたのである。 「私、たこ焼き大好きなの。子供っぽいかしら」 彼女は笑いながら爪楊枝で、たこ焼きを刺して、口の中に入れた。 「い、いえ。そんなことないです。たこ焼きは、昔から貴族階級の食べ物と言われていて、楊貴妃もクレオパトラもマリーアントワネットも、好んで食べていた、という事を聞いたことがあります」 彼はそんな事を力説した。 「ふーん。そうなの。そんなこと初めて聞いたわ。薀蓄があるのね」 彼女はふふふ、と笑いながら、たこ焼きを食べた。 食べおわると、彼女は、立ち上がった。 彼女は、キョロキョロ辺りを見回した。 「純さん。ロビーの前の芝生の所へ行きませんか。食後の一休み」 「は、はい」 彼女が、包みと缶に手を伸ばそうとすると、彼はあわてて、ブルース・リーのフィンガージャブ以上の電光石火の速さで、包みをとり、空き缶二つをとると、急いで、食べ物屋の前のゴミ箱に捨てて、また、駆け足で戻ってきた。 「ありがとうごさいます。純さんて、やさしいんですね」 彼女は笑顔で言った。 「い、いえ。僕はゴミを捨てるのが趣味なんです」 「へー。そうなんですか。きれい好きなんですね」 「ま、まあ、そうかもしれませんね」 と男は言ったが、男の部屋は、どう贔屓目にみても、きれいと言えるものではなかった。 彼女は純の手を握りながらロビーの方へ歩いていった。 純は彼女と並んで歩きながら、つくづく思った。 「ああ。幸せだ。最高に幸せだ。こうやって、きれいなビキニ姿の女の人と歩くのが俺の夢だったんだ。まさに夢のようだ」 純はこれはもしかすると夢なのではないかと思って、自分の頬を抓ってみた。 痛かったので、これは現実であると確信することにした。 ロビーの前の芝生についた。 沢山の客がここにビーチシートを敷いて、荷物を置いていた。 彼女はその一画にビーチシートを敷いた。 そして、シートの上に座った。 「さあ。純さんも座って」 言われて純は彼女の横に腰をおろした。 二人、ビーチシートの上に水着で並んで座っている図は、まさに男女のカップルの図だった。 「私、少し、体焼きたいの。いいかしら」 「ええ。どうぞ」 彼女はビーチシートの上にうつ伏せになった。 華奢な背中とビキニに包まれた大きな尻とスラリと伸びた脚が横たわっている。 純は興奮してドキンとした。彼女は無防備に目をつぶっている。純はゴクリと唾を呑んで美しい女の体の脚線美をしげしげと眺めた。 「純さん」 「は、はい。何ですか」 「背中にオイルぬってくださらない」 「は、はい」 純は久美子の華奢な背中にオイルをたらし、ぬった。 久美子は気持ちよさそうに純に体を任せて目をつぶっている。 純の手は興奮と緊張のためブルブル震えていた。 純が背中にオイルをぬりおわった頃、久美子は目をつぶって、うつむいたまま言った。 「純さん」 「は、はい」 「下もお願いします」 純はドキンとした。 「は、はい」 純は手を震わせながら久美子の脹脛にオイルをぬった。 ぬりおわった頃、久美子はまた、うつむいたまま言った。 「純さん」 「は、はい」 「あの。太腿とお尻もお願いします」 「は、はい」 純は久美子の太腿にオイルを垂らし、太腿にオイルをぬった。 柔らかい太腿が蒟蒻のように揺れて、純の頭は興奮と酩酊で混乱していた。 ぬる度に、太腿の上のセクシーなビキニにつつまれた尻が蒟蒻のように揺れる。ビキニからは尻が半分、露出している。 純がどのあたりまで塗るか迷っていると、久美子が、もどかしそうに言った。 「純さん。中途半端じゃなく、くまなく塗って下さい」 「は、はい」 純はドキリとした。隈なく、ということは、肌の出ている所は全部という事だ。純はもう、混乱した頭で無我夢中で久美子の太腿にオイルを塗った。オイルを塗る度に柔らかい太腿が揺れた。純の男の部分は、激しく勃起した。 太腿を塗りおえて純は、半分近く露出している尻にも無我夢中でオイルを塗った。 柔らかく弾力のある大きな尻が揺れて、純の興奮は絶頂に達した。 「ああっ」 純はついに射精した。 「どうしたの。純さん」 純の悲鳴に驚いて久美子が聞いた。 「い、いえ。な、何でもないです」 「そう」 久美子は気持ちよさそうな顔つきで目をつぶっている。 純はオイルを塗りおえて久美子の体から手を離した。 「ありがとう。純さん」 久美子はごく淡白な口調で言った。 「い、いえ」 久美子は、しばしうつむいたまま、背中を妬いた。 「純さん。今度は仰向けになるわ」 そう言って久美子はクルリと体を反転させ仰向けになった。目はつぶったままである。久美子の体はわずかなビキニで包まれただけで、裸同然である。女のYの部分はビキニがピッタリ貼り付いて、ビキニの弾力のため形よく整い、悩ましいふくらみが出来ている。その布一枚下には女の絶対、見せてはならないものがある。それを思うと純は狂おしい苦悩、そう、太宰治以上の苦悩に悩まされた。胸はあたかも柔らかい果実を包んだかのようであった。純は女の体の美しい稜線をこんなに間近に見たのは生まれて初めてだった。 久美子は気持ちよさそうに太陽に身を任せている。 空には雲一つなく、青空の中で激しく照りつける真夏の太陽は久美子の体をみるみる焼いた。 純は久美子が目をつぶっているのをいい事に、久美子の体を網膜にしっかり焼きつけるように眺めた。 純は時の経つのも忘れていた。 どの位の時間が経ったことだろう。 久美子がムクッと起き上がった。 「あー。気持ちよかった」 久美子は眠りから覚めたようにムクッと起き上がって大きく伸びをした。 「久美子さん。少しプールに入りませんか」 純が言った。 「ええ」 彼女は直ぐに答えた。 彼女はスクッと立ち上がった。 純も立ち上がった。 彼女は流れるプールの所に行き、プールの縁に腰掛けた。 彼女は足をプールの中に入れて水を揺らした。 純も彼女の隣に腰掛けて足をプールの中に入れた。 彼女はそっとプールに入った。 純もプールに入った。 彼女は純の手をとって、少し水の中を歩いた。 「気持ちいいわね。純さん。泳がなくても。水の中を歩いていると」 「そうですね」 「もう出ましょう」 しばしプールの中を歩いていた後、久美子が言った。 「はい」 純は答えた。 久美子はプールから上がった。 水に濡れてビキニが久美子の体にピタリと貼りついた。 純はそれを見て、うっ、と声を洩らした。 「純さん。ロビーに行きましょう。記念に私達の写真をプリクラで撮っておきましょう」 久美子はニコッと笑って言った。 「はい」 純は笑顔で答えた。 二人は階段を登ってロビーに入った。 ロビーにはゲームコーナーにプリクラがあった。 1995年に出てきたプリクラだか、これは一時の流行に過ぎなかった。二年程度でプリクラブームは去った。しかし2002年ごろから再び、復活した。それは機能や画質の向上による。××社のプリクラは、写した高画質の画像をボタン一つで自分のパソコンに送れるほどである。その××社のプリクラがあった。 久美子は純の手を引いてプリクラ機の中に入っていった。 プリクラは帳で覆われているため、外からは見えない。 かろうじて足が見えるだけである。 なので、一旦、プリクラ機に入ったら中で何をしていても、外からはわからない。 「ふふ。純さん。何をしてもいいわよ」 そう言って久美子は純の目の前に立った。 純は吃驚して真っ赤になった。 純が体を震わせながら久美子から顔をそらしていると、久美子は純の手をとって自分の胸にピッタリと純の手を当てた。 純の手はワナワナ震えている。 「気持ちいい?」 純は顔を真っ赤にして黙って答えない。 「そうよね。私、ペチャパイだもの。気持ちよくなんかないわよね」 そう言って久美子はさびしそうに胸から純の手を離そうとした。 「い、いえ。最高に気持ちいいです。ペチャパイなんかじゃありません。大きくて張りがあって、最高の胸です」 純はあせって言った。 「本当?じゃあ、揉んで。口だけでは大阪の城も東京タワーも立つわ」 そう言って久美子は純の手をビキニの上から胸に当てた。 純は真っ赤になりながら、ゆっくりと久美子の豊満な乳房を揉み出した。 はじめは気が動転していたが、揉んでいるうちにだんだん、とろけるような甘美な気分になってきた。 「ああっ。いいわっ。気持ちいい」 久美子は口を半開きにして言った。 純は興奮しながら久美子の胸を揉んだ。 久美子はそっと手を伸ばして純のトランクスの上から純の男の部分を触った。 純の男のものはとっくに激しく勃起していた。 純は驚いて、あっ、と声を出した。 「ふふ。純さん。こんなに大きくなっちゃって。やっぱり本当に気持ちがいいのね。嬉しいわ」 そう言って久美子はトランクスの上から純の男のものをゆっくりさすり出した。 「ああっ。く、久美子さん・・・」 純は声を出した。 純の男のものは、どんどん大きくなっていった。 「いいわっ。あの人なんて、私が触っても全く反応しないし、『お前の胸なんてもう厭きたよ』なんて言うのよ」 「ひどい事を言う人ですね。こんな素敵な魅力的な人に」 純はそう言って、久美子の豊満な胸を揉んだ。 もう純にためらう気持ちは無くなっていた。 しばし、純は久美子の胸を触り、久美子は純のトランクスをさすっていた。 「純さん。ちょっと待って」 そう言って久美子は純の手をどけて、クルリと体の向きを変え、純に背中を向けた。 「さあ、純さん。今度は後ろから私を触って。何をしてもいいわよ」 もう純にためらいの気持ちは無かった。 純は後ろから久美子の胸を揉んだり、ビキニの上から久美子の大きな尻を触ったり、前の女の肉を触ったりした。その度、久美子は、 「ああん」 と、喘ぎ声を出した。 「純さん。ちょっと待って」 久美子が後ろから触っている純に声をかけた。 純は言われた通り、久美子の体から手を離した。 久美子は金を入れてプリクラのスイッチを押した。 美しいビキニ姿の久美子と、その後ろにいる純の姿が写し出された。 「さあ。純さん。触って。うんとエッチに。その写真を見れば、あの人も嫉妬して、きっと私を見直すようになるわ」 純は、小さな声で、 「はい」 と答えた。 純は後ろから片手を久美子の胸に当て、片手を久美子の女の部分に当てた。 「ああっ。いいわっ」 久美子は切ない喘ぎ声を出した。 そして、口を半開きにして、眉を寄せ切ない表情をとった。 そして撮影ボタンを押した。 「純さん」 「はい」 「ビキニの中に手を入れて」 「は、はい・・・」 純はそっと下のビキニの中に手を入れた。 柔らかい女の肉に直接ふれて純は酩酊した。 「胸もお願い」 久美子に言われて純は胸のビキニの中にも手を入れた。 柔らかい久美子の乳房を直接さわって、純はメロメロだった。 ビキニ姿の女性を後ろから、ビキニの中に手を入れてまさぐっている姿である。 これほど、いやらしい姿があるだろうか。 「ああっ。純さん。なにか、痴漢に襲われているような気分だわ」 そう言って久美子は、切ない表情をつくり撮影ボタンを押した。 その他、純と久美子がピッタリと抱き合っている姿など、様々なポーズの写真を撮った。 そして、撮った写真を自宅のパソコンに送った。 「ふふ。これを見れば、あの人も嫉妬するわ。純さん。ありがとう」 「い、いえ」 純は真っ赤になって小声で答えた。 その後、二人はロビーを出てウォータースライダーをした。 女性とウォータースライダーをすることは純の夢だった。ここのウォータースライダーは二人用だった。アツアツの男女のペアという組み合わせが圧倒的に多かった。純が前で久美子が後ろになった。滑り出すと久美子は、 「きゃー。こわいー」 と言って後ろから純にしがみついた。 久美子に激しくしがみつかれて、純は頭がポワーンとしていた。 ウォータースライダーのゴムボートを返して再び、二人はプールを散策しだした。 久美子はプールの案内図を見つけて立ち止まった。 「シンクロプールってあるけど、どんなプールなのかしら」 「ああ。あれは、水深が深くて25mのプールですよ。人が少ないですから、ゆったり出来ますよ」 「面白そうね。行ってみましょう」 彼女は純の手をとってシンクロプールに行った。 そしてプールの縁に立った。 「深そうね」 久美子はプールを覗き込んで言った。 「私、海やプールは好きだけど、全然、泳げないの。純さんは泳げる?」 「ええ。泳げます」 純は自信に満ちた口調で言った。 純は、いきまんまんとプールを眺めた。 と、その時。純は背中をドンと強く押された。 「ああっ」 純はあわててバランスを保とうと踏ん張ったが、ダメだった。 ドボーン。 純はプールに落ちた。 水中から首を出して、振り返ると、久美子がクスクス笑っている。 「やりましたね。久美子さん」 純は脹れっ面で言った。 「だって純さんは泳げるんでしょ」 そう言って彼女は笑った。 純はプールから上がるとクスクス笑いながら逃げようとしている久美子の手をを急ぎ足でつかまえた。 「あっ。純さん。何をするの」 純は嫌がる久美子の手を力強く引っ張って久美子をプールの縁まで連れて行った。 「嫌っ。嫌っ。やめて。純さん。私、泳げないの」 純は嫌がるビキニの久美子を抱き上げると物のようにプールの中に放り込んだ。 ドボーン。 プールに放り込まれた久美子はしばしして、すぐに水上に顔を出した。 手で水を丸く撫でながら立ち泳ぎで身を保っている。 どの位だかはわからないが、久美子は泳げるのだ。 「久美子さん。だましましたね。泳げるじゃないですか」 「浮き身と下手な平泳ぎが出来る程度です。この程度じゃ泳げるとは言えません」 彼女は笑いながらゆっくりとかいでいる。 「それだけ出来ればもう十分、泳げますよ」 久美子はニコッと笑って、首を出した平泳ぎでゆっくりと水深の浅い方へ泳ぎだした。 スピードは速くないが、その姿は美しかった。ほとんどの女は髪が濡れることを嫌がってプールに来てもほとんど泳がない。 久美子は水深の浅い所まで来た。 そこは水深1.3mで、もう立っても首が出た。 久美子はプールの底に足をつけて立った。肩から上が水中から出ている。 「純さーん。純さんもプールに入りなさいよ」 久美子は水中から笑顔で手を振った。 純は急いで小走りにビーチサイドを走り久美子の所へ行った。 そしてプールに入った。 純は水を掻き分けながら久美子の近くまで来た。 久美子は笑いながら純に水をかけた。 純も笑いながら久美子に水をかけ返した。 すると久美子はドボンと水中に潜った。 「あっ」 純は声を上げた。 久美子が水の中から純の背中にしがみついたからである。 久美子は水中から顔を出し、純の背後にピッタリくっついた。 「へへ。純さん、つかまえた」 そう言って久美子は純の背中にピッタリくっついた。 久美子の柔らかい胸のふくらみの感触に純はドキンとした。 久美子の体がピッタリくっついているので純は激しく興奮し、純の男の棒は勃起しだした。 久美子はソロソロと手を前に廻してトランクスの上から純の股間に手を当てた。 「ああっ。久美子さん。何をするんですか」 純はとっさに叫んだ。だが久美子は勃起したものをつかんで離さない。 「ふふ。純さんのエッチ」 「純さん。水中鬼ごっこしましょう。今度は純さんが鬼で、私が逃げるからつかまえてごらんなさい」 そう言って彼女は純から離れ、水を掻き分けながら逃げた。 ある程度の所で久美子は立ち止って振り返った。 「ほーら。純さん。ここまでおいでー」 久美子は童女のような笑顔で言った。 「言いましたね。久美子さん。じゃあ、つかまえますよ」 純はドボンと水中に潜って久美子に近づいた。 近くまで来ると、久美子の裸同然のきわどい体が見えてきた。 水による浮力のため体が重力から開放され、女の柔らかい体が水中で揺れている。 ビキニは水に濡れて体に貼りつき女の美しい体のラインが丸見えだった。 それはとてもエロティックだった。 純は、久美子の背後に廻ってガッシリと久美子の体をつかまえた。 そして水中から顔を出して立った。 「ふふ。久美子さん。つかまえた」 純は、さっき久美子がしたのと同じように久美子を背後からガッシリつかまえた。 「ああっ。純さんに捕まえられちゃった」 久美子は子供っぽい口調で笑いながら言った。 純は片手で久美子の腹をしっかり押さえながら久美子の柔らかい体を触った。 水の中なので人に気づかれにくい。 純は図にのって胸や尻を触ったりした。 「あん。純さん。やめて」 久美子は鼻にかかった声で言った。 純は図にのってビキニの上から久美子の女の部分を触った。 「あっ。純さん。お願い。そこだけはやめて」 といいつつも、久美子の訴えには本気さが感じられなかった。 それどころか、もっと悪戯されたいような感じだった。 「ふふ。久美子さん。もっと面白い事をしてあげますよ」 純は意味ありげに言って久美子のビキニの横紐を解いて久美子の体から奪いとってしまった。 久美子は、 「あっ」 と言って、抵抗しようとしたが、純の行動は素早かった。 純は久美子のビキニの上下を水中でとってしまった。 そして奪ったビキニを持ってプールから上がった。 そして久美子のビキニをプールサイドに置いた。 「久美子さん。ビキニをとりに来なさいよ」 純は笑いながら言った。 「じゅ、純さん。お願い。ビキニを返して」 久美子はプールの中で丸裸の体を胸と秘部を手で覆いなから言った。 「久美子さん。プールから出て履けばいいじゃないですか」 純は久美子の訴えなど何処吹く風と意地悪く言った。 プールの中なので体は水によって隠されて守られている。 周りに人はいない。だが、いつ来るかわからない。 ついに久美子は急いで水を掻き分けてプールから上がった。 プールから出て一糸纏わぬ久美子の全裸が丸見えになった。 久美子は胸と秘部を手で隠しながらプールサイドをビキニの置いてある所へと小走りに走った。その姿は極めてエロティックだった。 久美子はビキニをとると、急いでビキニの上下を身につけた。 横紐を結んで、胸の紐もしっかり結んだ。 これで久美子は元のセクシーなビキニ姿にもどった。 「純さん。ひどーい。私、死ぬほど恥ずかしかったわ」 と言って久美子は純の肩をピシャリと叩いた。 だが久美子は、怒っている感じはなく、むしろ悪戯されたことを喜んでいるような感じだった。 「ごめんなさい。久美子さん。じゃあ、もう悪質な悪戯はしませんから、もう一度、一緒にプールに入りませんか」 純は笑いながら言った。 「ええ。そうしましょう」 久美子も笑って答えた。 久美子はプールの浅い方の縁に座った。 そして足で水をパシャパシャ掻き混ぜた。 純も久美子の隣に座った。 「さあ。入りましょ」 そう言って久美子はドボンとプールに入った。 純はトランクスのポケットからスイミングキャップとゴーグルを取り出してつけた。 そしてプールに入った。 久美子は首を出したゆっくりした平泳ぎで泳いだ。 純は久美子の後ろから久美子と同じ速度の平泳ぎで久美子の後を追った。 水中に潜ると久美子のビキニの貼りついた体がはっきり見える。 それはとてもエロティックだった。 少し泳いで久美子はプールの底に足をつけて立った。 純もプールの底に足をつけて立った。 「久美子さん。すごくセクシーですよ」 「え、何がですか」 「水中から見るとすごくセクシーに見えるんです」 「いやだわ。恥ずかしいわ。あんまり見ないで」 「いいじゃないですか。もう裸もみられちゃったんですから」 ではじっくりと見させてもらいます、と言って純はまた水中に潜った。 久美子のセクシーなビキニ姿が水中で水に揺れている。 純はそれをじっくり見て、久美子の太腿や尻や胸を触った。 純が久美子の体を触る度に久美子は手で身を守ろうとした。 純は、そんな悪戯をしてから水の上に顔を出した。 「いやだわ。純さんのエッチ」 「男はみんなエッチですよ」 純は笑って言った。 ではもう一度、と言って純は水中に潜った。 純は水中から久美子のビキニの紐を解いた。 久美子はあわてて、解かれた紐を結びなおした。 そのあわてる仕草が面白くて純は水中から色々と久美子の体にいたずらした。 そして純は水中からブバッと顔を出した。 「はは。久美子さんのあわてよう、とても面白いですよ」 純は笑って言った。 「純さんの意地悪」 久美子はふくれっつらをして言った。 だが久美子は、怒っている感じはなく、むしろ悪戯されたことを喜んでいるような感じだった。 その後、純と久美子は本当の恋人のようにプールで遊びあった。 時のたつのも忘れ。 竜宮城はどこかといえば、まさにここは竜宮城だった。 一日、遊びつかれて久美子と純は椅子に腰掛けた。 「純さん」 久美子はあらたまった口調で言った。 「はい」 純は緊張して答えた。 「私、本当に純さんが好きになってしまったわ」 「ぼ、僕も久美子さんが好きです」 純は声を震わせて言った。 「私、純さんを愛してます」 久美子は純の目をじっと見つめた。 「僕も久美子さんを愛してます」 純も久美子の目を見つめた。 人々がチラホラとロビーにむかいだした。 時計を見ると、閉館の30分前だった。 夏は日が長いので、5時半でも、まだ夕方という感じがしなかった。 久美子と純は手をつないで夫の所にもどった。 「やあ。久美子。どうだった。今日は」 夫が笑いながら聞いた。 「あなた。今日一日、純さんと付き合って、よく話し合った上で決めました」 「何を決めたの」 「私、あなたと別れて純さんと結婚します」 夫は一瞬、驚いた表情をしたが、すぐに笑った。 「はは。久美子。お前も冗談がわるいな」 「冗談ではありません。さっき私達、愛を誓い合いました。家に帰って、さっきプリクラで写した写真を家のパソコンに送りましたから、それを見ればわかるはずです」 「本当なの。君」 夫は真顔で純の顔を見た。 「じょ、冗談ですよ」 純は照れながら言った。 久美子がすぐに純に振り向いた。 「純さん。ひどいわ。私達、愛を誓い合ったじゃないの。あれは、ウソだったの。あなたは、私を玩んだだけなの?」 純は照れながら、 「今日はどうもありがとうございました」 と一礼して、急いでその場を去った。 純は家に帰ると、今日の出来事を正直に小説として書きはじめた。 その後、久美子から、会ってほしいというメールが来た。 だが、純は礼儀正しくことわった。 そして、久美子からのメールを拒否する設定にした。 純は、あくまで自分は、二人に愛をとり戻させるための道具でなくてはならない、と自分を厳しく律っしたのである。 少しして純は久美子に、受信拒否を解除した旨を知らせたメールを送った。 すぐに久美子からメールが来た。 それには、こう書かれてあった。 「純さん。夫が私を本当に愛してくれるようになりました。純さんのおかげです。ころころ態度を変えて申し訳ありませんが、よく考えた上、私、夫についていきます。純さんには大変、お世話になりました。また、とても楽しかったでした。どうもありがとうございました」 純はそのメールを見て微笑んだ。 それ以来、久美子からはメールは来なくなった。 平成20年12月11日(木)擱筆
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