41人が本棚に入れています
本棚に追加
お昼休みに私はこの病院の事務長に呼び出された。
「電話で北さんの事を聞いてきた者がいるんだ、勿論職員の個人情報は一切漏らせないからとすぐに断った。北さんになにか心当たりはあるかね?」
なんかここに気味の悪い電話があったらしい。なにそれ?
「いえ、全くありません」
本当にまるで心当たりが無い、気持ち悪いわ。
「そうか、一応北さんを名指しで来てるから知らせておくよ。相手は雑誌社のアンケート調査とか言っていたが、なにか怪しかったと事務所の者が言っていた。十分気をつけるように。問題は困るからね」
「分かりました」
問題って言われてもなんの事やら、どうもこの事務長は好きじゃない。なんかいつも回りくどくて嫌味っぽいのは有名だ。
とりあえず頭を下げ事務所を出て、職員の控え室に戻った。ロッカーからスマホを取り出すと、LINEとメールが幾つか着信しているのが分かる。
LINEはお兄ちゃん、なにかあったら連絡よこせって相変わらずそればっかりだ。こっちはちょっと置いておいて、と。
メールは美音さんだわ、えと、今日の帰りにお家に寄れないかと言ってくれている。
なにかしら突然?
お兄ちゃんの病院の後でも大丈夫かな、一応その旨をメールで返事をした。
その後、お弁当を持って食堂室に向かった。
最初のコメントを投稿しよう!