41人が本棚に入れています
本棚に追加
仕事が終わって、お兄ちゃんの病院に寄る。
談話室で仙石さんに貰ったお菓子を二人で食べて、すっかり元気に見えるお兄ちゃんにほっとする。
「うん、やっぱり美味い。仙石さんに会ったらお礼を言っておいてくれ」
「そうね、沢山頂いたのよ。なにかお礼をしなきゃね」
お兄ちゃんの快気祝いも一緒にだね。
「今日も変わりは無かったか?」
「え?うん」
一瞬、職場でのあの出来事が頭をよぎった。妙に気になる見慣れない患者と、私の事を聞いてきたという不思議な電話。
でも下手な事をお兄ちゃんに言うと、絶対にとんでもなく心配されてしまう。
ここは黙っていよう。お兄ちゃんにはもう少し大人しく入院しててもらいたい。
「普通に仕事をしてるだけだもの、何もあるわけないでしょ」
「そうか、それならいいけど」
うん、大丈夫。だからお兄ちゃんもゆっくりここで養生してね。
ちゃんとしっかり元気になってからあの家に帰って来てね。
最初のコメントを投稿しよう!