責任

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責任

「蓮ちゃん、 私達はミックスフルーツね。 それと…、 平木さんに薬膳スープと… リンゴと人参のジュースを 配達お願いね。 あ…、 ジュースは役員室の方達にも… 運ぶの大変かしら?大丈夫? じゃあ、全部で10個お願い。 あと、望にもスープあげて。 疲れた顔してるから。 全部でおいくらかしら…」 望の告白がなかったかのような 小百合の態度に 望は表情を硬くする。 それを取り繕うように… 「ありがとうございます。 全てご一緒でよろしいでしょうか? それでは×××になります。 すぐお作りしますので、 少しお待ち下さいね。 小百合大叔母様に たくさんご注文いただいたので、 今日はもう閉めてしまおうかしら。 売り上げ充分ですもの。 はい、お待たせいたしました。 ミックスフルーツでございます。」 「ありがとう。そうね。 今日はクリスマスですものね。 好きな人と過ごさなきゃ…。 望さん、 さっきの話は 帰ってからにしましょ。 蓮ちゃんの お仕事の邪魔しては いけないわ。」 「今日は帰りません。 蓮と一緒に居たいので。」 「そうな…の? そうよね。 でも、望さん、 これだけは言っておくわね。 あなたはもう 相馬家の当主なの。 次期社長として、 会社と社員の生活を守る 責任があるの。 好きなだけでは、 …ダメなのよ。 その話しは、 いずれちゃんとしましょうね。 じゃぁ、蓮ちゃん、 よろしくね。」 そう言って、 小百合と友人は 店を後にした。
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