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駅から会場まで歩いたが、渋滞している車がずっと並んでいるので。
それに沿って歩いていけば、迷いそうにはなかった。
「いい天気ですね~。
なんか夏並みの暑さですね」
と雲ひとつない空を見上げて悠里は言う。
「そうだな。
海が近いのに、風がないな、今日」
七海はパビリオンの向こうに広がる海を目を細めて見ているようだった。
入場口の手前にも店がいくつか出ている。
スーパーなどが出店していて、お弁当や飲み物などを売っていたり。
日除けグッズなんかを売っていたりする。
前回は入らなかったその店に入ってみた。
「中、ちょっと涼しいですね。
日陰だからかな。
そうだ。
あれ持ってくればよかったです」
春だと思って油断してました、と悠里が呟くと、
「あれってなんだ?」
とお菓子を見ながら七海が訊き返してくる。
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