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「……そうですが、ご一緒させて頂いてもよろしいですか?」
執事は息を呑み身体を強張らせていた。目の見えないユリアナには相手が誰なのかわからず、戸惑うしかない。低い声をした女性の話しぶりからすると、かなり年齢の高い人のように思える。
「そこにあるイスにお座りなさい」
「はい、ありがとうございます」
執事は指示された場所までユリアナを案内すると、「そのものは部屋の外で待つがよい」と言われてしまう。そのまま執事は部屋の外へ行ってしまい、どうやら控え室にはユリアナと女性ひとりしか残らなかった。
「あの、お名前を伺ってもよろしいですか?」
「あぁ、私は神殿長をしているシャレール・ビレオだ」
「……! まぁ、神殿長様でしたか」
ユリアナは口元に手を当てた。まさか、神殿長と話すことになるとは思ってもいなかった。確かに聖女であれば神殿の管轄になる。女官が間違えて案内したのかと思ったが、どうやらそうではなかった。
「そなたと話したいと思っておったが、なかなか会えずにいた。森の中にいては、さぞかし寂しかったであろう」
「そんなことは、……ありません」
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