第二章 盲目の聖女

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「私は私です。先代の先見の聖女様ではありません」 「いや、そなたは姉さまだ。そして、あの琥珀色の瞳をした王子がまた、そなたを利用しようとしておる」 「そんなことはありません! 彼は、レオナルド殿下は私のことを愛していると、言ってくれました」  ユリアナは懸命に答えるけれど、シャレードはどこか話が通じない。それでも、彼女を説得しなければレオナルドが罰を受けることになる。 「お願いします、訴えを下ろしてください。そのためなら、私が罰を受けます。ですから……」 「そなたはそれほどまでに、あの王子が好きなのか?」 「はい、彼は私の……私の全てです」  ユリアナが必死の想いを告げると、シャレールは顔を歪め忌々しそうな表情をして舌打ちする。ユリアナは神殿長のまとう空気が急に変わったことを感じ、どうしたのかと首を傾げた。 「そなたは……、王家など聖女の奇跡の力を利用することしか考えておらぬのに。そなたを守るために、そのような考えを捨てるまで神殿の北の塔で頭を冷やすがよい」 「なっ、神殿長様!」
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