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小さくこくんと頷くと、ユリアナは両手を伸ばしてレオナルドの背中に回した。
「ありがとう、……嬉しい」
レオナルドは、ユリアナの頬を両手で挟むと伺うように「いいか?」と聞いてくる。結婚した二人にとって、初めての夜。ユリアナは再びこくんと頷いた。
そっと触れあうように口づけられる。唇が離れると、熱のこもった声で「もう、離れられないな」と耳元で囁かれた。
「ずっと、傍にいて。私も、……もう離さないから」
「だけど身体の調子は大丈夫なのか? 今朝から緊張していただろうし、その……、以前君を抱いた翌日は寝込んだと聞いている」
ユリアナは大丈夫だと伝えたくて、首を縦に振った。翌日寝込んだのは、身体が辛かったからではない。別れが辛かったからだ。
「疲れはあるけど、それよりも……」
寝台に座ったレオナルドの頬を両手で挟んで、ユリアナは額と額をくっつけた。
「もう大丈夫だから、遠慮しないで」
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