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ミゼルカは国税で生かされてきたので、どんな縁談でも断らないつもりで日々生活していたが、ミゼルカのやる気とは裏腹に芸事も勉強も女性の嗜みもいまいちパッとしない成績で、教師達に他の姉妹と比較されてはため息を吐かれる事数知れず。
それでもめげずにコツコツ頑張ってはいたが、ただでさえ地味で華やかさに欠ける皇女な上に、皇帝の子なのかどうかという疑惑が付き纏っている。
まだ母が寵愛を受けていた頃に、皇帝自らが「私の子だ」と言ってくれたので立場だけは確立されたが、その母も数年で父に飽きられた矢先に病没してしまい、ミゼルカへの愛情も薄い皇帝は時折地味な娘の存在も忘れてしまう。
皇帝の実子かどうか、真相は闇の中だ。そんな立ち位置なので、周囲から煙たがられているのは骨身に染みていた。
ミゼルカを皇女として心から丁寧に扱ってくれる従者も勿論居るけれど、そんな者ごく稀だ。ルーベンスはその「ごく稀」な人の中でも、取り分け珍しい人だった。
ルーベンスは王宮内でも平気で軍服を着崩すし髪も最低限しか整えていないし言葉遣いも悪いし、何より仮にも一応皇女であるミゼルカに対しても平然とタメ口を利く。
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