なぜ、人を?

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なぜ、人を?

「おめでとう!ユーマ。」 「ありがとう。ナイラ。」 「それで、最後になぜ人を殺した?」 「それは…。」 「ユーマが理由もなく人を殺すはずないのはわかっているのだが…。なぜ!なぜ!人を殺した!?」 「お前には言えない。」 「そうか。すまなかった。」 「ナイラ!」 その時にはもう遅かった、ナイラはユーマの隣にはいなかった。 ユーマはこれ以上関わったら関係がより崩れることをおそれナイラを追いかけなかった。 その日のナイラとユーマは魂が抜けたような感じだった。 〜〜城で〜〜 「おかえりなさいませ、ユーマ様。」 セバスチャンはユーマが学園でなにかあったことを察して、声をかけた。 「どうかなさいましたか?」 「俺、もうだまかもしれない。」 「どうなさいました?」 「………。」 「もしかして、試合に負けたとか?」 「違う…。」 「じゃあ、あれですか?好きな人にでもふられれたのですか?」 「俺がふられるものか。」 「う、もしかして、またなにかの大会に出ろと?」 「違う。」 「じゃあ、食堂がしまってたとか?」 「馬鹿にしているのか?」 「これ以外ないでしょ。」 「なんでしょう?」 「ナイラと喧嘩した。」 ユーマは今日の出来事をすべてセバスチャンに話した。 「そうでありましたか。」 「ああ、このままナイラとの関係はなかったことになるのか?」 「いや、そういうのじゃないと思います。」 「どうなるんだ!?」 「ユーマ様はナイラ殿に嘘をつき続けるおつもりですか?」 「それは…、仕方がないだろ。」 「正体を話しなさい、ナイラ殿に。」 「そんなことしたら…。」 「何を言っているのですか?あなたは正体をナイラ殿に隠すことが予想以上に辛かったのではないのですか?そうではないと、そんな、今にも泣きそうな顔はしませんよ。」 「泣いてねぇーし。」 セバスチャンの言う通りだった、俺はナイラに正体隠すことが思ったより辛かったんだ、何度も何度も打ち明けようとした、しかし、できなかった。 けど、セバスがいるから大丈夫だ、明日、ちゃんとナイラと話をしよう。 「俺、決めたぞ。ナイラに正体を打ち明けるぞ。」 「はい、そうした方がいいでしょう。」 「ありがとう、セバス。大切なことに気づくことができた。」 「いえ、当然のことをしたまでです。」 ユーマは泣きそうな顔で、美しく笑った。 セバスチャンも1度驚いたような表情になったが、ユーマとともに行きていくことを決意したような顔つきになった。 「もう、おやすみになられてください、ユーマ様。」 「ああ、今日はありがとう、セバス。」 「いえいえ。おやすみなさいませ。ユーマ様。」 〜セバスチャンの思い〜 ユーマ様は人間らしい考え、感情、おかしくなっている、あの方は…、孤独になれすぎています、このままだと、ユーマ様は完全に1人になってしまいます。 なんとかして、ナイラ殿とユーマ様を仲直りさせなければ。 ー仲直りー 「お、おはよう、ナイラ。」 「ああ。」 「今日、ナイラに話がある。」 「俺はないぞ。」 「俺はあるんだ、頼む、聞いてくれ。」 「ああ、わかった。」 「まずは昨日はごめん。」 「ああ。」 「そして、俺が隠し事をしていた、俺の正体は、賢者、国王、最強魔術師だ、そして、俺がこの3つの役を同時にやっているとバレたら、その時にはもう…。」 「そんな話を信じろって言うのか?」 「ああ。」 やっぱりこうなるか、半分期待して、半分呆れ目ていたようなもの、気にしなければ良いのに、何か、悔しくて、悲しい。 「わかった、信じるよ。」 「え?」 「ユーマが信じろっていったんだ、信じるよ。」 「ありがとう。」 「なに、親友だろ。」 「ああ。」 ナイラって本当に良いやつだ。 「ほら泣くなよ〜、ユーマ。」 「泣かねぇし!」 「泣きそうだけど?」 「そんなこと、あともう1つ、大会で俺が相手を殺したのは…、相手が悪魔憑きだったからだ、相手は悪魔と契約をして、悪魔の力を手にしていたんだ。」 「それった、何かを引き換えにしないといけないんじゃ。」
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