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仕方がないと諦める
「おかえりなさいませ、ユーマ様、悪魔討伐、見事でした。」
「ああ、退学書を書いておいてくれ。」
「それでユーマ様は良いのですか?」
「仕方がないだろ。俺は国王だからな。」
「ですが、ユーマ様が…、ナイラ殿もいらっしゃいますよ!」
「このままだと国王としての示しがつかないだろう?」
「そうですね、明日までには出しておきます。」
「ああ、ありがとな。」
「いいえ。」
これで良いのだ、ナイラと友人になれて嬉しかったが…、国王としての努めだ、果たさなければならない、俺は国王なのだから。
ーー次の日ーー
〜〜教室〜〜
「おはようございます、ユーマ国王陛下。」
クラスメートが同時に言った。
「なんの騒ぎだ?」
「ユーマ様は国王陛下でしょう?」
「ああ、そうだ。」
「なぜ、このような学園に入学したのですか?」
「来たかったからだ、身分関係なく関わって、仲良くしてくれる友人を作るためだ、俺は友人を作るためにここに来たのだ。」
「それで、ナイラと仲良くされていたのですか?」
「ああ、ナイラは初めて俺に話しかけてくれた相手だ。」
「そうでしたか…、ご期待に応えられなくて申し訳ありませんでした。」
「ああ、この国は貴族社会になっている、それがどのようなものか、体験しに来たんだがかなりやばいな。」
「申し訳ございません!」
「いや、これからどうにかするしかないだろ?」
「は!」
「それではまたな、国王だとバレた以上、ここにはいられない。」
「ですか!」
「お前らが気にすることではない。」
「そうですか。」
「ちょっとまてよ!ユーマ!」
「なんだ?ナイラ。」
「俺はお前が退学することを認めないぞ!」
「だがな。」
「言ってくれたじゃないか、俺がこの学園で初めての友人だと。」
「それはその通りだが…。」
「言い訳をし続けるのか?」
「それしか方法がないのだ!」
「なぜ?」
「民に示しがつかない。」
「なぜ、そのように自分を犠牲にしてまで他人のことを考え続けているのですか!?」
「国王だからだ。当たり前だろ?」
「じゃあ、何の示しなのですか?」
「それは…、わからない。」
「わからないのであれば、民に国民になぜこの学園に入学したのか説明したらどうなのですか?きっと納得してくれるはずです。少なくとも俺はね。」
「それで本当に納得できるのか?」
「はい、間違えないでしょう。」
「そうか、ナイラ、お前を信じてみよう。」
もし、失敗したらときを戻せばいい話だ。
ー国王の話ー
「皆の者、よくぞ集まってくれた、今日、我は皆に言わなければならないことがある、それは、国に秘密で第1バルティーナ学園に潜入調査をしていたことだ、我は今、解決しなければならないことに気がついた、それは身分差別だ、それがどのくらい深刻なものかを自分が平民の設定で調査したところ、やはり現状は差別で学園がなりたっていた、我はそれをこれから直し行きたいと、思っている。以上だ。」
この話をしてから、学園を正式にやめることで、調査が本当に行われていたことが証明される、そして、学園の皆に迷惑がかからなくなるだろう。
すまないな、ナイラ。
〜〜お城〜〜
「おかえりなさいませ、ユーマ様。」
「ああ、ただいま、セバス。」
「本当に学園をおやめになられるのですか?」
「ああ。」
「わかりました、失礼いたします。」
明日から何をしようか。
コンコン、
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