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忙しい日
〜次の日〜
「おはよう、ユーマ。」
「ああ、おはよう、ナイラ。」
「それで昨日の場所なんだけど…。」
「ああ、もちろん秘密にするよ。」
「ありがとう、ユーマ。」
ナイラは本当によく接してくれるな、国王とも賢者とも最強魔術師とも知らずに。
俺はこんな存在を大切にしていかないといけないとわかっている。
「ユーマどうした?考え事か?」
「いや、ま〜、少しね。」
「そうか。」
俺は今とても幸せだ、この生活が永遠に続くことを祈るばかりだ、もし、ナイラが消えたらその時、俺はどうなってしまうのだろうか?
考えても、切りがない。
俺はナイラに深入りしてしまった、俺もいつか正体をあかす日が来るのだろう、そのとき俺はきっと嬉しくてたまらないだろう。
正直明かすのはやめておこうとも思っている、もし、明かしたとして、国王扱いされて敬語なんて使われたらもうたまったもんじゃない。
それですんだら良いがな……。
この日は珍しく、午前は机に向かって授業をした、午後は戦闘訓練をした、2人1組になっての戦闘訓練だ、そこで、俺はアルカ・クラシエとペアになった。
「よろしく、アルカ。」
「は、はい!よろしくお願いします!ユーマさん!」
「お、おう。」
「今日の訓練では魔法などの身体強化などは禁止としま〜す。」
「各チームはえ全員違う場所に行ってもらいま〜す、そこで、出会った相手のチームが今日戦う相手になりま〜す。」
そういうことか、あの先生なにか企んでいるな。
「付ききましたね、ユーマさん。」
「ああ、そのようだが、相手チームがいないぞ。」
「本当ですね。」
「やっぱり…あの先生…。」
「先生がどうかしましたか?」
「いや、一旦、学校に戻るか。」
「何言ってるんですか、ここは、学校から1番遠い場所だよ。」
「そうか、でも、問題ない、俺は転移魔法も使える。」
ここで説明しよう、転移魔法と移動魔法の違いは転移魔法と移動魔法では移動できる距離が違う、ここからじゃ、移動魔法では学校までは戻れない、しかし、転移魔法は学校とこの場所を1点に重ね合わせることで、移動することができる、しかし、魔法陣を置いとかなければならな、俺は学校やお城に魔法陣をおいてあるから戻れるが…。
問題はアルカにどう説明すれば良いのかわからない、この俺でもわからないことが唯一ある、それは人間の心だ、人間とは感情を表現することが得意な人と苦手な人がいる、その中で、ナイラは感情表現が得意だなようにみえる。
しかし、アルカは苦手そうに見える、俺とこの子の相性は絶妙に悪い、取り敢えず、転移魔法を知っているか確かめてみようか。
「アルカって、転移魔法って知っている?」
「いえ、知りません。」
「それでは都合が良いな、目を瞑れ。」
「はい。」
「絶対に目を開けるなよ、死ぬぞ。」
「は、はい。」
人間は低い声で『死ぬぞ』と言えば意外と騙されやすい気がしたから使ってみた。
「もう良いぞ、アルカ。」
「さて、先生を探すか。」
「はい。」
〜先生の元に〜
「どうしたんですか〜?2人とも〜、もう帰ってきたんですか〜?」
「相手チームがいなかったので。」
「そんなはずはありません!後で先生のところに来なさい。」
「はい。」
「2人は先に教室にもどっておいてください。」
ユーマが先に歩き出した。
ちょっと待て、何かがおかしい、今、確かに、先生がアルカに紙を渡したな。
「早く行くぞ、アルカ。」
「はい。その前に私おトイレに行ってから教室にもどりますから、先にもどっておいてください。」
「わかった。」
バカだな、俺がそんなに安安と逃がすかよ。
今日の授業は無事に終わった、ユーマとアルカ以外のチーム以外は。
〜先生の部屋で〜
「2人とも何があったか説明してください。」
「えっと、まず、先生が俺たちを学校から1番遠い場所に送った、そして、相手がいなかったので帰ってきたまでです。」
「そうですか、残念です、自分が負けるのが怖くて、逃げ帰ってきたあげく、相手チームがいなかったなんて嘘をつくなんて。本当に残念です。」
「違います。」
「そうしかありえないでしょ!」
「先生、お言葉ですが、あなた学校でコソコソなにかしていますね?」
「何のことです?」
「とぼけないでください。」
「そんな根拠はどこにあるって言うのよ。」
「仕方がないですね、説明しましょう、あなたのミスを、まず、アルカを協力者にしましたね、多分、無理やり、弱みでも握っているんでしょう、あと、アルカが観測魔法も使えないのに、俺たちが飛ばされた場所がすぐに分かったことです、あらかじめ知っている人間にしかわからないことです、最後のミスです、俺の前でアルカに紙を渡したでしょう、俺に気づかれていないとでも自惚れていたのですか?」
「この第1学園の教師にそんな嘘をついていいとでも思っているのですか?あなたは!」
「アルカ、外に出なさい。」
「は、はい。」
「2人きりになりましたね、第1学園の教師に俺は何を言っても良いのです、なぜなら、俺がこの国の国王だからだ。」
「そんなはずはないじゃないか、お前こそ自惚れるな!」
「馬鹿だな〜、」
ディマンションフォールの中から王冠を出した。
「これを見てもまだそれを言えるか?」
「嘘、でしょ。なんでそんなところに王冠が…。」
「ここが1番安全だからな。」
「一緒に来てもらおうか。」
「ええ。」
「最上階騎士団長と俺は古い知り合いでな。」
「え?まさか、最上階騎士団長の元に行くんですか?」
「なにか?」
「いや、あんな恐ろしい人に会いたくないなって思って。」
「そんなこともないぞ。」
「そうですか。」
その後、ユーマは騎士団のところへ行って、最上階騎士団長のヒーナにセーラ先生を引き渡して、お城に戻った。
お城ではなにか大騒ぎをしていた。
「どうしたんだ?セバスチャン。」
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