私は誰⁉️(パラレル版) 衝撃的なニュース

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私は誰⁉️(パラレル版) 衝撃的なニュース

テレビからニュースが流れている。私にとって非常に衝撃的で重大なニュースであった。 私の目はテレビに釘付けとなる。 そのニュースとは、「小山内の遺体が発見され、警察では殺人と自殺の両面で捜索する内容を伝えた」ニュースであった。 私に関わる人物が殺されたかも知れない!いや、殺されたと考えた方が自然だ。  自殺する理由もない。 記憶に関わる研究が、殺される理由だったのであろうか? それ以外には、考えられない。 だとすると、私も事故ではなく、何者かに暴行されたと考える方が自然だ。 明日もう一度大学に行く事を決めた。 なのに家族達は、事件の事など我関せずと楽しそうに雑談をしている。 「今日、僕の通っていた大学に行って来た。」 と唐突に家族に言ったが、家族達は聞いていない。 「ねえ、ちょっと今のテレビのニュース聞いていたの?」 と少し大きな声で言った。 「聞いてなんかいないけど、どんなニュースだったの?」 と母が言った。 私はこの人達を疑っている。 どこまで話すべきか迷ったが、今日大学で聞いて来た事を 話すと決めた。 「今のニュースに小山内という人が、殺されたと言っていた。  僕は、その小山内と言う人知り合いみたいだ。」 「それは、びっくりだね。」 と父が言った。でも驚いたそぶりでは無かった。 「聞きたいのだけど、さっきお父さんの血液型がAで、お母さんO型と言ったけど、僕はB型。おかしいでしょ。」 「どこが?」と母が聞いてきた。 母親は全く知識が無いみたいだ。 それともボケを入れてるのか? 父が意を決するかの様に、言葉を改めて話してくる。 「学、本当の事を言おう。 私たち夫婦は再婚なのだ。お前が子供の時、この人と結婚した。 ケイコはヒロコの連れ子なのだ。」 「お父さん、それは言わない約束だったでしょ。」 と、ヒロコが諌めるかの様にに言う。 「ばれてしまっては、仕方が無いだろう。 実はお前とヒロコの仲が余り良く無いので、お前が記憶を無くしたついでに、昔のことを言わずに実の母親として振る舞ってもらう事にした。 その方が良いと思ったので。 みんな賛成したよな。ケイコも賛成したよな!」 と、父は責任を一人で負わずに、みんなの賛同を求めた。 私は複雑だった。この言葉を信じて良いものか? 「もうひとつ疑問があるのですが、僕がこの部屋に帰ってきた時に、 生活感も無く綺麗に片付いていたのは?何故ですか。」 「その事なら母さんに言ってもらおう。」 「学の部屋があまりのにも散らかっているし、汚いし、おまけに犬は居るし、掃除屋さんに頼んで清掃してもらったのよ。 私、悪いことしたのですか?!」 と、母は私の事が嫌いだったのであろうか、少し不機嫌に言った。 …犬を飼ったいた?…… 「その犬は何処に行ったのですか?此処には居ないけど」 「掃除屋さんが『扉を開けた時に何処かに行ってしまった』と 言っていたわ。何処に行ったのかは知らない」 と、母は無責任で冷たい言い方をした。 私が母を嫌っていた理由が、何となく分かる様な気がした。 家族の事は分かった様に思えるが、油断はできない。 全てが解明されるまでは。 しかし真相を知らずにいた方がいい場合も、あるのかも知れないと思った。 もっと複雑な気持ちにさせられたのは、妹のことであった。 妹とは血が綱がっていないのだ。 それを知ってしまったからには、どの様に対応すればいいのか? 子供の頃とは違うのだ。 なのに両親は、妹を残して帰って行った。 妹はいつも通りに振る舞っている。 私は、いつもの様に振る舞っている、いや振りをしている。 私の胸の内はドキドキだ。 そして妹に言った。 「今日からは、此処で泊まってはいけない。自分のアパートに帰って欲しい。」 と本心でない事を告げた。 「何で、私が嫌いになったの?子供頃からお兄ちゃんは私に優しかったのに。 何で!記憶が戻ったら、私を嫌いになったの!」 「記憶はまだ完全には戻っていない。ケイコの事も良く覚えていない。 だから一緒にいると、複雑な気持ちになってしまう。」 「複雑な気持ちって?  やだーお兄ちゃんHな事考えてる。 やだー。」 と、言って妹は帰って行った。 複雑な気持ちがより複雑になって行った。 判明した事は、僕の名前は水原学。B型。将棋は強い。 大林と言う友達がいる。 大学時代は優秀で教授たちにも名前が知られていた。 小山内氏と同じ研究をしていた。 誕生日は平成8年8月8日 明日、また、大学に行ってこよう。今度はタクシーで。 と考えている時、持ち金が無いことに気がついた。 まずは、妹にお金をもらわないといけない。 c531d1df-d887-4991-9219-f33d36bb2721
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