ハカセと美織の続いていく旅

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「そうだね、本当にそう。少し出掛けてくるね」  美織はベッドから降りた。  自室のクローゼットから、適当なワンピースを選び着替える。  玄関ロビーには、掃除をしているゼノの姿があった。 「お出掛けですか?」  ゼノは手を止めてこちらを見てくる。美織は微笑んだ。 「ゼノ、さっきはちゃんとお礼を言えなくて。いつもありがとう。感謝しています」  美織が頭を下げると、ゼノは小さく機械音をたてて首をかしげた。無機質な表情はいつも通りだ。 「暗くなる前までには帰ってきてください。それから、また変な気を起こさないよう」 「わかってる。心配かけてごめんね」  空は、快晴だった。やわらかい日差しがふわりと体を包み込んでくる。  さて、どうしようか。
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