1人が本棚に入れています
本棚に追加
「そうだね、本当にそう。少し出掛けてくるね」
美織はベッドから降りた。
自室のクローゼットから、適当なワンピースを選び着替える。
玄関ロビーには、掃除をしているゼノの姿があった。
「お出掛けですか?」
ゼノは手を止めてこちらを見てくる。美織は微笑んだ。
「ゼノ、さっきはちゃんとお礼を言えなくて。いつもありがとう。感謝しています」
美織が頭を下げると、ゼノは小さく機械音をたてて首をかしげた。無機質な表情はいつも通りだ。
「暗くなる前までには帰ってきてください。それから、また変な気を起こさないよう」
「わかってる。心配かけてごめんね」
空は、快晴だった。やわらかい日差しがふわりと体を包み込んでくる。
さて、どうしようか。
最初のコメントを投稿しよう!