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 前方から二回目となる爆発音が響き、爆風が目の前でぎゅうぎゅうに積み重なっている人々に直撃した。声にならない悲鳴が上がると同時に彼らは足の力を失くし失神して、その彼らの壁に守られた形で生きながらえた俺も、これからどう行動していいかわからない状態だった。    極度の恐怖と緊張で、全身がガクガクと震えた。  傾いて、いつ崩れ落ちるか分からない機体の中で、凄まじい高温の中で、またいつ爆発が起きるか、そしていつ、一酸化炭素中毒で呼吸できなくなるか分からない中で、助かる手段は何一つ見出せず、もうこれは、どうしようもないのだと、受け入れるしかないのだという考えが頭を過ぎった。    このまま、『死』しかない――――――……    諦めざるを得なかった。人々の断末魔の叫び声が、阿鼻叫喚が、パチンコ屋みたいに群れていた。それはまさしく地獄絵図で、高温で歪んで見える機内はさながら灼熱地獄の様相を呈していた。    
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