いちれつ、いちれつ。

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いちれつ、いちれつ。

「はああああああああああ!?これ意味わかんねーんだけど!?」  キイイイ!とあたしはスマホの画面を見て地団太を踏んだ。幸い、部屋には誰もいない。今日はうるさい親も仕事で遅くまで帰ってこない日だ。多少あたしが喚いたところで咎めてくる人間などいない。  ちょっとした暇つぶしをかねて、スマホでゲームをしたがる人間は少なくないはずだ。どんなゲームがいいか?と思って探してみれば、面白そうなゲームは無限といっていいほどヒットするものである。  それこそカードゲームと一言で言っても、トランプは花札のようなものをデジタル化したものから、かの遊戯王やポケモンカードみたいなトレーディングカードゲームがみんなで遊べますというアプリまで様々だろう。RPGに至ってはジャンル分けすることさえ困難なレベルである。たまにちょっとエッチだったりグロかったりするゲームも引っかかってくるがそれはそれ、年齢詐称して登録さえすれば女子高校生のあたしでも問題なくプレイできるというものである。  まあ、あたしは女ということもあるので、女の全裸が大写しになってアンアン喘いでるようなゲームは――うざい、キモい、と思うのが精々だったが。女の裸がきもいというより、そういうので抜く男を想像してキモいと思ってしまうというあれである。同じ理由で、イケメンを脱がせてどうこうという恋愛シュミも好きじゃない。女のしょうもない妄想を垂れ流していて恥ずかしくないのかと思ってしまう。  それはさておき。  あたしが苦手なのはそんな一部のゲーム以外で、それ以外はわりと何でも食える質だと言っておく。カードゲーム、パズルゲーム、脳トレ、RPG、シューティング。問題は、面白そうなゲームをかたっぱしから入れていくと、あっという間にスマホの容量をオーバーするということだったが。  まったく、あれもこれもアプリでやれといのなら、もう少し企業も軽くする努力をしてほしいものである。ポイントカードもアプリ、遊園地の割引チケットもアプリ、まったく容量が常に足らないゲーマーには優しくない世の中である。  で、ここからが本題。  そんなあたしが見つけたのが、とある“ブラウザで、スマホでできるゲーム”というやつである。  むしろ、アプリを落とさなくてもできるゲームを探していたと言っても過言ではない。  どうしてもスマホでできるブラウザゲーム(NOTアプリ)となると制限がかかってしまい、ものすごく本格的なムービーが流れるRPGとかは厳しいのだが。  スキマ時間にちょっと遊べるパズルゲームくらいならば存在している。  今まさにあたしが遊んでいる“フルーツでGO”というゲームもまさにそのクチなのだった。カラフルなフルーツを積み重ねていき、縦か横に三つ並べると消していくことができるというのが概要なのだが。 「どうしても消せないんですけど……!」  特定の局面で、どうしても消せない状態に陥ることがある。そんな時、あたしは頭を抱えて唸るしかないのだった。
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