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やぁやぁ。モブです。
怒涛の入学式からあっという間に2週間が経ちました。
意外と平和でした。よかった。
放課後、いつものように宮下先生の雑用をこなすために、職員室に向かう。
「失礼します」
バタバタと大騒ぎしている職員の皆さん。
おや?何があったのかな。
そそくさと宮下先生のところへ行く。
「あのー、何があったんですか?」
宮下先生は目の下にクマを作っていた。せっかくかっこいい顔が台無しですよ。
「突然なんだが、明日転校生が来るらしい」
「えっ!?」
「昨日の夜、急に理事長からそう言われて俺たちはその準備で大忙しなんだ」
「それはそれは…」
こんな中途半端な時期に転校生?何か問題でも起こしてこちらに来るのか?
「あの、俺に手伝えることはあります?」
「あー、うーん。いや、転校生の対応は生徒会が担当するらしい」
「え、この学園ではそれが普通なんですか?」
「いやいや、そんなこと初めてだよ。大切な転校生だからわざわざ生徒会が案内するんだよ」
宮下先生はちょっと耳を貸せと手をくいくいさせた。俺は膝を曲げて、宮下先生の顔に近づける。
「ここだけの話。理事長の甥らしい」
「はぁ、そうなんですか…。えっ!!!!まじですか!!!!」
「しっ!声がでかい!」
「すみません」
なんか嫌な予感がするな。
「今日はとりあえず雑用はいいや。早く帰って休めよー」
「わかりました」
俺は寮に戻る。その途中で、野球部を見かけた。その中でも一際目立っているやつ、赤羽がいた。
赤羽に俺の名前を知られたのは想定外だったな。まぁ、いい。人前では呼ばないように約束したから。
さて。明日は転校生が来るらしい。それも理事長の甥。
「…絶対関わらないようにしよう」
目立ちたくないし、巻き込まれたくないんでね!!
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