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次の日の朝。俺は何故か金井さんに呼ばれて、朝早くにも関わらず、向日葵学園の正門のすぐ近くにある警備室にいた。
モニター監視しとけよーとだけ言い、金井さんはどこかに行ってしまった。
「なぜ?」
絶対宮下先生だな。俺のこと、雑用係だと金井さんに言いやがったな…。
椅子に深く腰掛け、くるくるくるくる回る。
朝早くから監視って、勘弁してくれよ。
「…ん?」
正門に登ろうとする不審な物体を見つける。モニターと睨み合っていると、そいつはなんと正門を登り、上に立った。
そんなバカな。
猿か?猿が登ってきたのか?…ありえる。ここは山奥だ。動物がいたっておかしくはない。
しかしよく見てみると、そいつは人の姿をしていた。
侵入者なら金井さんに報告しないといけない。だが、金井さんは今不在だ。
めんどくさいが、ここの監視は幼馴染に任せよう。電話で幼馴染を呼び出す。
『おはよー!!!』
朝からテンションが高い幼馴染にイラッとしたが、
「今すぐ正門の警備室に来い。1分以内でだ」
『え、まって』
ブチッ。
あいつのことだから、本気で走ってくるだろう。
モニターの向こうに映るそいつは微動だにしない。
ガチャ!!
「はぁっはぁっはぁっ」
「お疲れ」
肩で息をする幼馴染をモニターの前に座らせる。
「まって、説明ちょうだい」
「モニターを見ろ」
「…うん?なにこれ?」
「本来なら金井さんに報告しなければならないが、いないから仕方なく俺がそいつに注意してくる」
「え、危ないからやめときなよ」
「侵入者だったらどうする」
「それはそうだけど、俺たちはただの生徒だよ?」
「だからって放っておけ、と?」
頑固な俺に幼馴染はため息を吐いて「やれやれ」と笑った。
「じゃ、金井さんが戻ってきたらすぐに行かせるようにお願いするからね」
「助かる」
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