災害レベル10、到来~14日目~

3/4
前へ
/27ページ
次へ
次の日の朝。俺は何故か金井さんに呼ばれて、朝早くにも関わらず、向日葵学園の正門のすぐ近くにある警備室にいた。 モニター監視しとけよーとだけ言い、金井さんはどこかに行ってしまった。 「なぜ?」 絶対宮下先生だな。俺のこと、雑用係だと金井さんに言いやがったな…。 椅子に深く腰掛け、くるくるくるくる回る。 朝早くから監視って、勘弁してくれよ。 「…ん?」 正門に登ろうとする不審な物体を見つける。モニターと睨み合っていると、そいつはなんと正門を登り、上に立った。 そんなバカな。 猿か?猿が登ってきたのか?…ありえる。ここは山奥だ。動物がいたっておかしくはない。 しかしよく見てみると、そいつは人の姿をしていた。 侵入者なら金井さんに報告しないといけない。だが、金井さんは今不在だ。 めんどくさいが、ここの監視は幼馴染に任せよう。電話で幼馴染を呼び出す。 『おはよー!!!』 朝からテンションが高い幼馴染にイラッとしたが、 「今すぐ正門の警備室に来い。1分以内でだ」 『え、まって』 ブチッ。 あいつのことだから、本気で走ってくるだろう。 モニターの向こうに映るそいつは微動だにしない。 ガチャ!! 「はぁっはぁっはぁっ」 「お疲れ」 肩で息をする幼馴染をモニターの前に座らせる。 「まって、説明ちょうだい」 「モニターを見ろ」 「…うん?なにこれ?」 「本来なら金井さんに報告しなければならないが、いないから仕方なく俺がそいつに注意してくる」 「え、危ないからやめときなよ」 「侵入者だったらどうする」 「それはそうだけど、俺たちはただの生徒だよ?」 「だからって放っておけ、と?」 頑固な俺に幼馴染はため息を吐いて「やれやれ」と笑った。 「じゃ、金井さんが戻ってきたらすぐに行かせるようにお願いするからね」 「助かる」
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

39人が本棚に入れています
本棚に追加