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もう一度つながりをもって、リコは魔力が尽きるまでキトエに浄化の魔法をかけた。
まだ、泣くのは早い。
目が覚めて、リコは眠っていたことに気付いた。即座に意識がはっきりする。まだ空は深く暗く、真ん中から半分に割れた月の明るさが星々の光を上回っている。
かたわらにはキトエが寄りそうように岩肌を背にして、目を閉じている。息は、している。違う、呪法の眠りに落ちてしまっていたとしても、息が止まることはないのだと、と心の中で思う。
二回目のあと、服は着たものの互いに眠ってしまったのだろう。夜明けの気配はないから、眠っていたのは少しの時間のはずだ。
指先が、冷たい。今すぐ揺り起こしたいのに。
(目が覚めなかったら?)
怖くて、できない。
リコに寄りかかるように眠るキトエの顔を見つめる。髪と同じ薄水色のまつげが、呼吸に合わせてかすかに動いている。
「キトエ」
か細い声で、呼べた。キトエは目をあけない。肩に、触れた。力の入らない指で、軽く叩く。肩を、揺らす。
「キトエ。キトエ、ねえ」
肩を強く揺すった。
「お願い。起きて」
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