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「楓、姉ちゃんの事泣かせたりしたら許さないからな」
「……」
涙腺が、崩壊しそう。
何故か走馬灯のように初めて会った時から今までの大和の映像が頭の中に流れる。
「大丈夫。絶対そんな事にはならない」
「!」
「大和!アンタなんて良い子なのよ!」
「!え、うわっ」
すみれはぎゅううっと大和に抱き付く。
「アンタの事は私が幸せにする!」
「すみれは俺一筋じゃなかったの?」
「楓は別枠よ!不動の一番!」
私と楓は目を合わせて笑いあう。
料理もお酒も美味しくて時間はあっという間に過ぎていった。
二人が帰ったあと、私がお風呂を済ませると楓が後片付けを全て終わらせてくれていた。
「楓も疲れてるのにありがとう」
「ううん、片付けするの好きだから。先に寝てて」
「あ、それなんだけど」
「?」
「私達って自分の部屋はあるけど、寝る時どうする?別?」
他にも家事の分担とか細かい事は追々決めなきゃいけないよね。楓は忙しいし家賃諸々お世話になる以上は私がやるべきかな。
「ごめん……勝手に一緒に寝るものかと思ってた」
「あ、私も一緒が良いって思ってたよ」
「良かった。俺の部屋は自由に出入りして構わないから」
「了解。色々迷惑かけるかもしれないけど、これからもよろしくお願いします」
私は楓に向かって頭を下げる。
「そんなのお互い様。こちらこそよろしくお願いします」
「「……」」
私達はどちらともなく抱きしめ合った。
「……やっぱり、寝ないで待っててくれる?」
「え」
楓は私にキスをして微笑むとバスルームへ行ってしまった。
これから私の心臓、大丈夫だろうか……。
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