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二人で食卓につくが何とも微妙な空気が流れる。
楓から秋桜君の連絡先を聞くのは無理でも村瀬さんかすみれは知らないかな?
村瀬さんはイトコだし多分知ってるよね?
「言っておくけど」
「?」
「雪臣とすみれに秋桜の連絡先を聞いても無駄だから」
「な、何故考えてる事を」
「里津は分かりやすい」
「だとしても、負けないからね」
楓は深いため息をついた。
「本当に、根性あるよね。頑固なのはどっち?」
「どっちもじゃない?」
「そうだね。まあそういう所も好きだから良いんだけど」
「!」
好き?好きって言った?
「料理も手が込んでるから作るの大変だったでしょ?」
「全然。美味しいって言ってもらいたかったから」
「美味しいよ、すごく。実はクリスマスケーキは俺が焼いたんだよね」
「えっ、買ってきたんじゃないの?」
トオノの化粧箱に入ってたから本店に寄って買ってきてくれたんだと思ってた。
「うん。昨日今日の休憩時間と仕事終わりにデコレーションして何とか。雪臣にからかわれて大変だった」
「……」
忙しいのに、わざわざ?
その気持ちが嬉しくて何だか泣きそうになる。
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