405人が本棚に入れています
本棚に追加
翌日。
仕事終わりにダメ元ですみれと村瀬さんに秋桜君の連絡先を教えてくれないかと連絡してみると。
【ダメよ!私には楓を裏切る事なんて出来ないわ!】
【ダメです。佐伯さんはこの問題に首を突っ込まない方が良いですよ】
クッソ……。何だこのチームワーク。
アラサーが揃いも揃ってハタチそこそこの青年に手を差しのべようとは思わないわけ!?
私はため息をつき、スマホをテーブルに置いてソファに沈み込む。
このままだと本当に駅に張り込むしかない。
最寄駅を使うかも分からないから博打みたいなものだ。
「はあ」
もう一度ため息をついた瞬間、私のスマホが鳴った。
「?」
画面を見ると知らない番号からだ。
出るか迷ったけれど、通話ボタンを押す。
「もしもし」
『……』
しかし、何故か相手は黙ったまま。
間違い電話だろうか?
「もしもし、間違い電話ですか?」
『……あ、いえ。佐伯里津さんで間違いないですか』
「!?」
な、なぜ私の名前を知っている?
やばい、犯罪に巻き込まれるかもしれない。
「あ、あの、どちら様、でしょうか」
『遠野秋桜です』
「!」
秋桜君!?
最初のコメントを投稿しよう!