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翌日、午後14時。
私は少し緊張しつつ近くのパーキングに車を停めて秋桜君の到着を待っていた。
服装はオフィスカジュアルにしてみたけど変じゃないかな?わざわざ兄の恋人です、って自己紹介するのも変な空気になりそうだから楓の説明通り部下で通すつもりだ。
この問題が片付いたら改めてきちんと自己紹介したい。
前回、秋桜君の様子を見に行った時に一度顔を合わせているとはいえ流石に覚えてないよね。
私は特徴のある顔じゃないから多分大丈夫だ。
約束の時間の十分前になり、車を降りて駅の改札付近に立つ。人は多いけどあんな綺麗な子を見過ごすはずはない。
数分後、電車が到着したのか大勢の人が改札を通り過ぎていく。
「……」
自分でもビックリする位、秋桜君はすんなり見付けられた。キョロキョロしているのは私を探しているからだろう。やっぱり楓によく似てる。
「あの、秋桜君ですか?」
後ろから声をかける。秋桜君は振り返ると目を見開いた。
「な、」
「?」
なんだ?服装変?似合ってない?
あ、化粧が変?
「……人違いだったらすみません、以前風鈴という和菓子店を訪れた事はありますか?」
「!」
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