403人が本棚に入れています
本棚に追加
/260ページ
◆◆◆◆
ホームパーティーが一段落すると村瀬さんは早々に帰り、すみれと大和はソファで酔い潰れている。
残ったものはタッパーに詰めて後は洗い物だな。よし、やるか!と思って立ち上がろうとした時。
「洗い物は俺がやるから里津はテーブルとかその他諸々片付けて」
「え、私が全部やるよ?明日も仕事だし早めにお風呂入って休んで」
「ありがとう、気持ちだけ頂くね。明日仕事なのは里津もだし二人でやった方が早く終わるよ」
「……うん」
一緒に暮らし始めて一年経つけど、かなり家事をしてくれて助かっている。楓の作るご飯も美味しくてニキロも太ってしまった。
「来週の休みさ、ドライブでも行かない?」
「どこに?」
「目的地決めないでのんびり、田舎の方に」
「いいね、楽しみ」
フランスはどこもかしこも雰囲気あって綺麗だからな~。
「カフェの仕事はどう?慣れてきた?」
「うん、最初に比べたら」
紹介してくれたカフェのオーナーさんが日本語ペラペラだから大分働きやすい。それにコーヒーも紅茶も絶品だし何よりマカロンが最高。
私も日本に帰ったら筒井と相談して販売したいな。
戸惑う事も沢山あるけど、確実に自分の世界が広がったと思う。楓に付いてきて本当に良かった。
「今度、働いてる所見に行くね」
「え。ちょっと緊張するかも」
「それは良いことじゃない?多少の緊張感はないと」
「確かに」
「まあ、顔見たいだけなんだけどね」
「!」
「じゃあ、片付けしようか」
「う、うん」
私は日々楓にドキドキさせられっぱなしだ。
最初のコメントを投稿しよう!