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翌週。
私は車に揺られていた。
「……」
フランスの田舎ってどうしてこんなにオシャレなんだろう。
建物はもちろん、そこら辺に生えてる木や草まで素敵に見える。フランスってすごい。
「今、フランスってどこを見ても素敵~とか思ってるでしょ」
「なぜ分かる」
「いや顔に書いてあるから」
私は自分の頬に触れる。そんなに分かりやすくないと思うんだけど、楓は分かるらしい。
「あ、あそこにパン屋さんあるよ。お昼に買ってかない?」
「うん」
これまた白を基調にした外観でうさぎが働いてそうな素敵なパン屋さん。店内に入ると種類はそんなにないけどとても美味しそうなパンが並んでいる。
「バゲットも買って明日の朝ごはんにサンドイッチ作ろうか」
「それ最高」
とりあえずクロワッサンは絶対買って、パン・オ・ショコラとあ、アップルパイもある!
また一つ、また一つと購入するものが増えて、お店を出る時には大量のパンを抱える事になってしまった。
「……そんなに食べきれるの?」
「問題ない。大食いだから」
「はは、そうだよね」
一年一緒に過ごして、楓は前より柔らかく笑うようになった気がする。元々優しい人だけどそれが表に出てきてるというか何というか。
私は良い変化だな、と思っている。
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