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「筒井ごめん、急用思い出した!片付けは全部終わってるからレジ上げお願いしても良い?」
かなり強引だけどそこはご愛嬌という事で。
「え、そ、そうなの?それは構わないけど」
「ごめんね、お疲れ様!矢川さんもお土産ありがとうございます」
「いえいえ、お疲れ様です」
パパッと着替えて店を出た。
矢川さんのお土産は北海道の定番、六花亭のバターサンドとロイズの生チョコだ。どっちも美味しくて大好き。
食べるの楽しみだな、と思いながらバーへと向かう。
バーまでは職場から歩いて20分。
全国展開している洋菓子チェーン店トオノの系列のホテルの最上階にある。
夜景も綺麗だし、店内も落ち着いた雰囲気でとても素敵だ。
一緒に行ける彼氏が居ればもっと良いのだけど、生憎恋愛なんてかれこれ5年以上縁遠いものになっている。
今の職場だと相手は見付かりっこないし、かといって自分から探しに行くのも億劫に感じる。
もう30だし焦らなきゃいけないのは分かってるけど、そもそも結婚願望が昔からあまりあるタイプではなかった。
……このまま独身街道を突き進む気がしてならない。
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