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訪ねておいで
そして、僕たちは、タンブリッジ・ウェルズに、今も住んでいる。
小さな煉瓦の家の庭には、ブルーの忘れな草たちが、かわいい花を風にそよがせている。
「やあ、おはよう。幸せだなあ」
僕が、朝食を作りながら言う。
「ほんとね。心の底から、幸せだわ」
綾乃が、お花に水をあげながら言う。左手の薬指に、指輪が光っていた。
タンブリッジ・ウェルズ。素敵な街だよ?
いつか、訪ねて来ることがあったら、僕たちの家にも、寄って欲しいな。
〈おしまい〉
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