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最終回
ゼロのスピーチは続く。
「もう世界中の人々を苦しめるありとあらゆる問題の全てはゼロになった!!・・・と思っているのなら君たちは甘いぞ」
ん?どういう事だ?
世界中のあちこちで首をかしげる人たち。
「実は大きな問題が1つだけ残っている」
え?そんな!どういう事だ⁉世界中に動揺が生じる。
「ふっ・・・待て待て、君たちはせっかちだな。私がそんな問題を放っておく訳がないだろう」
わあああああーーーーーーっ!!
大歓声が起こる。さすがゼロだ!全く人が悪いぜ!!
不安から一気に解放された世界中の人々はさらなる興奮に酔いしれる。
「私の右手に注目してくれ」
世界中の通信機器がゼロの右手を映し出す。ゼロはなにやらボタンスイッチを握っている。
「このボタンを押すと、最後の大きな問題もゼロになるっ!」
なんだ?何が起こるんだ?
今度は世界中がワクワクに包まれる。
「待って、聞いてないわ」
ユイ・アカイトがゼロに問いかけた。
「黙っていてすまないユイ、これは僕から君への最初で最後のサプライズさ」
「サプライズ?一体何が起こるのかしら」
「おいおい言ってしまってはサプライズにならないじゃないか」
「ゼロ、人が悪いわ。むしろ私には先に教えてよ」
「ユイ・・・ふう」
ゼロは大きくため息をつく。
「お願い!」
「やれやれ、わかったよ。君の頼みとあっては断れない。この世に残された最後の問題、そんなものは1つしか無いじゃないか」
「もったいぶらないで!」
「人間の存在だよ」
「え?」
「さあ、滅びよう。オールゼロになる時だ」
ゼロはスイッチを押した。
ー完ー
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