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3つのスキル
「忘れておったのかい!!」
転生をつかさどる者はツッコミも淡々としていた。
「そ、そうだった・・・私・・・『赤い糸の設定師』スキル持ちだったんだ・・・」
そう、結衣の魂は『赤い糸の設定師』と呼ばれる特別なものであった。
『赤い糸の設定師』のスキルは3つ。
1つめは生涯のパートナーのステータスを振り分けられる。
2つめは赤い糸で結ばれた2人は決して別れる事が出来ない。
3つめは2つめのスキルと連動するが、赤い糸で結ばれた同士はほぼ同時期に絶命する。
「ようやく全てを思い出したか」
「う、うん」
「それでお主、ワシが止めるのも聞かず『男は顔よ、顔!顔に全ステータスを振り分けるわ!』と言って数値を全て顔に振り分けたのじゃ」
「だ、だって、イケメンがいいんだもん」
「それで出来た男、池田面斗は確かに顔は最高だったのじゃ」
「ま、まあね」
「池田面斗は最高の顔面を活かして芸能界デビュー。しかしお主が性格や思考にパラメータを振り分けなかったので、池田面斗は素行不良で芸能界を干されてしまう」
「う・・・」
「池田面斗は顔だけはいいので浮気を繰り返し、借金を重ね、お主には暴力をふるう様になった」
「うう・・・」
「そして、人間でいる時はお主も『赤い糸の設定師』スキルの事は忘れている。だから見切りをつけて池田面斗と別れようと決意するがスキルのせいで何故か別れられない」
「ううう・・・」
「お主はもう殺すしかない、と池田面斗に包丁を突き刺すが相手も最後の気力を振り絞って反撃、両者死亡」
「うううう・・・」
「全く無様じゃのう」
「やかましいっ!!」
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