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入ってきたのは亮ちゃん。ふたりの顔を見比べて呆然とする。
「いえ。出来ればもう少し遅く来て欲しかったです」
亮ちゃんは私を押して、横に腰掛けた。
「……どういうこと?」
小さな声で亮ちゃんに話しかけた。
「言ったろ?雫が誰のものかハッキリ言わないと、新田は諦められないだろうから。雫にも認めてもらわないと信じてもらえないからな」
唖然呆然。
「亮さん。突然ですよね。花崎さんと付き合っていたなんて聞いてないし、絶対嘘だ。どんな魂胆です?いくら先輩でも譲れないですよ」
睨む新田さん。まずいよ。
「あ、あの……実は……」
「雫と俺は幼馴染みだ。帰国も雫を自分のものにするため。それはお前に言うはずないだろ」
「……幼馴染み?」
「そ、そうです。本当です。8年前まで近所だったんです。高校卒業して亮ちゃんがアメリカに行ってしまって」
「……亮ちゃん?」
「あ、すみません」
「新田、分かっただろ?雫と幼馴染みだと社内で言うと、彼女が質問攻めになるのはわかっていたから内密にしていたんだ」
「で、昨日の今日で急に付き合うってどういうことですか?」
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