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「ごめん。酒が入って、他の奴らが君のことを誘うと騒ぎ出してこっちも余裕なくなって、牽制したら大きくなってしまった」
「新田。すまないが、雫は渡せない」
「貴方に聞いてませんよ、亮さん。で、花崎さん。亮さんとのことだけど。そういう関係なの?」
「……なったばかりです」
恥ずかしい。下を向いて小さい声で話す。
「はー、真っ赤になって可愛いね。悔しいな、先輩相手じゃなかったら絶対略奪します」
亮ちゃんが、私を引っ張って抱き寄せた。
それを見ると新田さんは眉をひそめた。
「いい加減にして下さいよ。胸くそ悪い」
「お前なら、いくらでも相手いるだろう?」
「よく言いますね、それはこっちの台詞です」
「いや、俺は向こうの暮らしも長くて、日本の女性はあまり付き合いがなかったんだ。どうしても雫のことが忘れられず、父に頼んで戻ってきた。決死の覚悟ってやつだ。ところが彼女に告白しようと思っていた前日に、雫に群がる男どもの多さに驚いて、とにかくやっきになった。のんびり出来ないと教えてくれた新田には感謝してる」
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