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「なんてタイミングなんだよ。俺もついてないな。こんな前向きになったのは久しぶりなのに」
「す、すみません。そして、買いかぶりです。でもありがとうございます。お気持ち嬉しかったです」
小さい声で新田さんに言う。
「雫、嬉しいとか言うな!」
「え?」
「亮さん、余裕ないっすねー。こりゃ、まだいけるかもしれねー」
ギロッと新田さんを睨む亮ちゃん。
席を立つ新田さんは、こちらを見てにっこりした。
「じゃあ、二人分のコース料理、ゆっくり食べて下さい。支払いは亮さんですよ?」
「ああ、ありがとう。新田。あと、そう遠くないうちに会社には公表するから少し待ってくれ」
「わかりましたよ、フラれたということにすると、それはそれで彼女も大変になるかもしれないから作戦は考えておきます。じゃ」
そう言うと、一人出て行った。
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