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エレベーターに乗ると、営業の人たちにも驚かれて、皆一様に凝視している。
考える余裕もなく、途中で意識がなくなった。
気がつくと、病院にいた。
点滴されている。看護婦が入ってきて、「大丈夫ですか?かなり熱高かったですけど、楽になりましたか?」と顔をのぞき込んでくる。
しばらくして、亮ちゃんが入ってきた。
「雫、大丈夫か?」
「……ありがとう」
「心労もあったのかもしれないが、週末も連れ回したし、疲れたんだろう。ごめんな」
それは確かにそうだと思う。
「点滴があと30分で終わるから、そしたら家まで送るよ。少し点滴で熱が下がるだろ。脱水気味だったみたいだ」
そうか、それで頭が痛いだけでなくふらふらしたのかな?
家までタクシーで帰ると、私を下ろした亮ちゃんがインターホンを押す。
すると、びっくりした母が顔を見せた。
「雫、どうしたの?」
横に立つ亮ちゃんに向かって母が頭を下げる。
「送っていただいたのかしら、ありがとうございます」
「おばさん。お久しぶりです。亮です。高野亮です。覚えてますか?」
びっくりした母は、亮ちゃんをじっと見て破顔した。
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