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私を見ながらゆっくり話す。
「驚いたわね。亮ちゃんからも、お父さんからも話を聞いたわ。お父さんと亮ちゃんもさっきまで一緒に話してたのよ」
「そうだったんだ。ごめんね。早く言ってなくて。私も亮ちゃんがウチの会社の一族なんて知らなかったから」
母は、笑いながらいう。
「そうね。お父さんも楓のこともあって黙っていたみたいよ。亮君とまた会えるかどうかも分からないのにね」
「お父さんと、亮ちゃんは連絡取っていたらしいの」
「そうなんだってね。いやになっちゃうわ。ママも何も知らなかったから」
私は、おかゆをぐるぐるとかき回しながら話す。
「でね。えっと……」
「聞いたわよ、あなたたちのこと」
母がこちらを見てゆっくり言う。
「良かったわね。あなた、前から亮ちゃんのこと好きだったでしょ。楓の手前、私達も知らないふりしてしまってごめんね。でも、迎えに来てくれるなんて夢みたいな話ね。雫を大切にしたいと言ってたわよ、お父さんに」
「そうなの?」
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