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「ああ。おじさんにはホント小さい頃お世話になった。息子同然にかわいがって下さった。雫をウチの会社に入れてくれたし、その気持ちが嬉しかったから報告した。喜んで下さったよ。雫を大切にすると約束した」
亮ちゃんは、何かいいたげにしてじっとしている。
「なに?」
「いや。雫、何か起きても全部俺が守るから、心配しないようにしてくれ。約束して」
「……はい。約束します。でも、亮ちゃんも立場があるでしょう。無理はしないでね」
「ああ、ありがとう。明日、会社一緒に行こう。それが一番いいかもしれない」
「……え?」
「だから、仲良く登校ならぬ、登社?」
「ダメだよ。そんなの。人目につくし、……余計」
「明日は少し早く行こう。雫も休んでたし仕事たまっているだろう。そうしたら、人も少ないし。どうだ?」
「うん、わかった」
「車で迎えに来る」
「え?」
「この間、納車されたんだ。マンションも決まっているし、今日から入った」
早い展開についていけないけど、とりあえず病み上がりだし言うことを聞いておこうと思った。
「わかった。よろしくお願いします」
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