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「ありがと。でね、雫のことよ。心当たりありそうね、さっきの様子だと。痩せすぎだよ。食べられないみたいだってお母さん言うし。吐き気は?」
「……ある。ここ最近。今日も会社で同期に病院行けって言われたから考えてたところだったの」
「お母さんからの電話で一応私の検査薬の残り持ってきたんだ。試してみようよ」
そういうと、ポケットから細長い棒のようなものを渡された。
使い方を聞いて、早速実践。
部屋でふたりで話しながら、時間が経過して検査薬の結果をみる。
線が見える。
「おめでとう、雫もおそらく妊娠してる。おめでとうと言っていいんだよね?」
検査薬を凝視して、言葉が出ない私を優しく抱き寄せてくれる。
「……お姉ちゃん。しばらくお母さん以外には黙っていてくれる?病院にも行くけど、今亮ちゃんは大事なところなの。妊娠のせいで私と結婚するために会社の大口の取引をなくしたら、経営者一族なんだから迷惑かけちゃう」
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