思いも寄らぬことⅠ

6/8
前へ
/112ページ
次へ
 「……雫。それとこれとは関係ない。亮ちゃんだって子供じゃないんだから、責任取るのは当たり前。お父さんが知ったら悲しむよ。それに、最近の亮ちゃんは知らないけど、お父さんとお母さんが雫との交際を許しているということは、亮ちゃんを信用しているってことでしょ。こうなる可能性も含めて許可したはずだよ」  お姉ちゃんの言うことは逐一ごもっともなんだけど、うんと言えない。  「雫。病院一緒に行こう。私の通院している産婦人科紹介するよ。嬉しいな、子供が同級生かな?あ、ギリギリ無理かな。雫何ヶ月だろう?早生まれになるなら、同級生かもしれない。嬉しすぎる。一緒に子育てできるし。あ、お母さん大丈夫かな?ふたりも面倒みられないよね。半年違えば大丈夫かな?疲れて倒れるかな?」  お姉ちゃんはひとりで嬉しそうに話し出した。  すると、突然携帯が鳴った。  見ると、亮ちゃんだった。  お姉ちゃんに目配せして、電話にでる。  「雫、連絡遅くなってごめんな。今大丈夫か?」  「うん。大丈夫だよ」  「もう、寝るところだったりする?」  「え、まだ九時だよ、大丈夫」
/112ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1011人が本棚に入れています
本棚に追加