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俺は言われるがまま、メイク室で着替えをした。
ビシッとした黒のスーツだった。
「スタイルいいですね。」
メイクさんが俺に話し掛けた。
「今からメイクとヘアセットしていきますね。」
「よろしくお願いします。」
俺は人生初のメイクを体験した。
涼雅はこれを毎日しているんだよな。
「肌すっごくきれい。何かされてます?」
「洗顔と化粧水くらいですが...」
「羨ましい。兄弟揃ってイケメンだ。」
「涼雅は俺よりもずっと格好いいです。」
あ、つい。いつもの癖が出た。
「ふふっ、涼雅くんと仲良しなんですね。」
話している間に、ヘアセットも終わったようだ。
俺は自分の姿を鏡でみた。
これが、俺...?
「うん、似合ってる。」
メイクさんが笑顔で言った。
「ありがとうございました。行ってきます。」
ここまで来たら後には引けない。
俺は涼雅の元へ向かった。
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