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推しとまさかの共演!?
ブーブー
何だこの音。
涼雅のスマホか。
俺は隣で眠る涼雅の身体をゆすった。
「涼雅、起きて。電話鳴ってる。」
「うーん...って、今何時!?」
「8時。」
「ヤバっ、」
涼雅は飛び起きて、電話に出た。
どうやら電話の相手はマネージャーさんのようだ。
「はい、5分で下行きます。」
電話を切ったと思ったら、涼雅は慌ただしく支度を始めた。
「翔ちゃん、行ってくる。起こしてごめんね。」
「俺の事はいいから。仕事間に合いそうか?」
「うん。なんとか。」
「行ってらっしゃい。」
俺は玄関で涼雅を見送ったあと、顔を洗い、目覚めのブラックコーヒーを飲んだ。
今日の講義は3限目からなので、時間に余裕がある。
そんな時は、俺の推し活タイムが始まる。
涼雅の出演した過去作品を振り返るもよし、雑誌のインタビーを読み返すもよし。
今日は、俺が涼雅の推しになったきっかけの深夜ドラマを観ることにした。
俺は部屋のクローゼットに隠してあるDVDBOXをリビングに持ってくると、大画面のテレビで再生した。
「何回みても、涼雅の表情に惹き込まれるなぁ。」
俺はしばらくテレビに魅入っていた。
そして、気づいた。
テレビ台と壁の隙間に茶色の封筒が落ちていることに。
「これって、涼雅のか?」
俺は中を確認しようとした。
その時、俺のスマホが鳴った。
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